チェンソーカービングで広がった世界
- 林 隆雄さん/チェンソーカーバー
- 1972年山口県生まれ。30歳からチェンソーカービングを始める。動物彫刻を中心に、見る人が笑顔になる作品作りを心掛けて国内外のチェンソーカービング競技大会に挑戦中。受賞歴に、2009、15、16、17年日本チェンソーアート競技大会in東栄 優勝、19年Chetwynd International Chainsaw Carving Championship優勝などほか多数。
https://chainsawcarving-taka.amebaownd.com
チェンソーカービング競技大会との出合い
なんとなく就職して働いていましたが、何か物作りがしたかったので自分の家でも建てようかとログビルダーに転職し、いろいろな場所で手伝いながら技術を覚えていきました。その中で丸太の看板の上にフクロウを彫るという仕事を任されたのが最初のチェンソーカービングとの出合いです。
立体彫刻の難しさはありましたが楽しさに引かれ、技術を磨くためにチェンソーカービング競技大会に参加するようになりました。出場し始めたのが2002年。2009年には国内最大規模の大会で優勝するようになり、その年の秋に初めてアメリカの競技大会に出場しました。
それから現在まで毎年海外の競技大会に参加するようになりましたが、海外の大会に思い切って参加したことが自分の人生の一つの分岐点だったのかなと思います。海外の大会に行くことで本当にさまざまな経験ができて自分は成長できたと感じています。
チェンソーカービングの魅力
そもそもチェンソーカービングとは、主にチェンソーを使い丸太を彫刻して作品を作っていくことです。そしてその魅力はなんといってもスピードで、どんどん自分の思いが形になっていくことにあります。それゆえにできた作品を見てもらうだけでなく、作る過程も楽しんでもらうことができます。
目の前で丸太を彫り、作品に触れ合ってもらえるので木の素晴らしさも伝えることができると思います。特に子どもたちが興味を持ってくれるとうれしいですね。
そして自分にとってのチェンソーカービングの一番の魅力は海外のチェンソーカービングの競技大会に参加できることです。競技大会では、決められた時間内に丸太の抽選から始まり、だいたい3~4日間で一つの大きな作品を彫り上げるのですが、彫刻とスポーツが一緒になったような競技です。世界中の素晴らしい彫刻家と出会え、一緒に生活して競技することは、彼らの考え、技術、作品を見ることができて友達にもなれるという普段にはない経験ができます。もちろんほかの国の文化や食べ物に触れることも楽しみです。
これからの目標
技術的なことは上を目指せば切りがないのですが、自分のチェンソーカービングは競技大会や実演が多く、見られながら彫ることが多いので見せ方も重要になってきます。しかし、まだまだ彫るのに一生懸命で、なかなか見せるというところまで意識がいかないので、もう少し余裕を持って彫れるようになりたいです。楽しんで彫ることができれば楽しんで見てもらえるかなと思います。あとは苦手な英語力を向上させたいですね(笑)。
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