瞬間芸術のサンドアートパフォーマンス
- Kohei さん/サンドアーティスト
- 2010年から独学でサンドアートの研究を始め、数年間の修行を経てプロ活動を開始。 サンドアートの普及や医療利用を目指し、日本医療科学大学で非常勤講師も務めている。 東京ステーションホテル100周年記念前夜祭でのパフォーマンスなど多方面で活躍。 いとこである歌手AIの代表曲『Story』のミュージックビデオを制作し、複数の報道番組で取り上げられ話題を呼んだ。
https://www.kohei-sandart.com
サンドアートの起源
「あなたはサンドアートパフォーマンスを見たことがありますか?」
人類の誕生はおよそ500万年前といわれています。太古の昔から人類は絵を大地や壁に描き残してきました。
ラスコーの洞窟の壁画をはじめ、地面に描かれた絵や壁画の痕跡が世界各地に数多く残されています。
棒や指で地面に絵を描くという経験は誰もが持っていると思いますが、人類で初めて指で地面に絵を描いた人がいたら、それが「砂絵」の歴史の始まりであり、アートの始まりであるのかもしれません。
日本においてサンドアートが一般的に認識されたのは江戸時代あたりで、「砂絵坊主」といわれる大道芸人が往来で砂絵を描く芸として人気を博し、豊作を願って砂で模様を描く伝統行事もあったようです。
サンドアートパフォーマンスとは
現代ではサンドアートの1つとして「サンドアートパフォーマンス」があります。
ガラスのキャンバスの上に砂をまき、指で砂の配置を変えることで絵を描きます。
音楽に合わせて砂絵を動かして変化させていきながら、次々と絵を展開していきます。大きな特徴は次の2つです。
①他の絵画のように筆ではなく、指を使って描く
水彩画で例えると、「絵の具=砂」「筆=自己の手指」「画用紙=ガラス板」といったイメージです。
②現物保存できない
サンドアートパフォーマンス作品は固めて保存することができないのが最大の特徴です。絵の変化そのものが作品であり、最後の砂絵も固めるための外力で砂が崩れてしまうからです。
音楽の生演奏などと同じく、サンドアートパフォーマンスも保存ができない瞬間芸術になります。
サンドアートの価値
私がサンドアーティストとしての修行を始めたのは約15年前ですが、サンドアートパフォーマンスは現物保存できないからこそ、人生は「経験と感動」にこそ価値があるんだということを感じさせてくれます。
アートとしての「砂」という切り口が古くて新しいことも魅力の1つです。
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