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2023年7月掲載

ロスフラワーを取り扱う生花店〜#flowershipの挑戦〜

塚田 茉実/DESiRE TOKYO 代表取締役

塚田 茉実/DESiRE TOKYO 代表取締役
リクルートにてHR領域の営業を経て、2021年に独立し、起業。「花を通じて豊かな世界を創ること」を目的に、廃棄されてしまう花、ロスフラワーを扱う花屋・#flowershipをオープン。現在は、駒沢大学店と神楽坂店の2店舗を経営。より多くのつながりを生むため、神楽坂店はお酒とともに楽しめるカフェバー×花屋となっている。 https://flowership.jp

花屋を起業したきっかけ

2021年に花業界のアップデートを目的に起業し、現在東京で花屋を2店舗経営しています。起業する前はリクルートで営業職をしていました。リクルートはお客さまや業界の「課題」と「不」に対して向き合っていく営業の仕方をする社風なのですが、もともとパッションがあった花の業界について考えたときに、やれることがもっとあるのではないかと思い、たどり着いたのが起業でした。

私は幼少期をイギリスで6年、高校をアメリカで4年過ごしました。家族が全員アメリカに残っている状態で一人で日本へ帰国し、大学受験をした際、家族も友達もいない環境に寂しさを感じ、当時住んでいた家のベランダ一面をガーデニングで埋め尽くしたというのがお花に救われた最初のエピソードです。

そこから花が自分の心のバロメーターのようになり、枯れてしまったり、水替えができなくて傷んでしまったときは自分の心のSOSのサインと受け取るようになりました。創業前の数年間は、都内のありとあらゆるお花屋さんに毎週末通い、消費者としてお花を楽しんでいました。

日本ではお花屋さんへ行くことも、お花をあげたりもらったりすることもハードルが高い。もっとお花を身近に感じてもらうことを目的に活動しているので、神楽坂につくった2店舗目は「呑める花屋」というコンセプトになっています。今ある何かの習慣にお花を添えるというやり方なら、お花を買う習慣がつきやすいかなと考えました。飲む習慣がある方はたくさんいらっしゃると思うので、そこに花を添えるという形で、花を買う、花と距離が近くなるきっかけづくりみたいなことができたらと考えています。

ロスフラワーへの想い

そもそもロスフラワーとは、行き先が“廃棄”と決まったお花のことを呼びます。一般的なお花屋さんだと、週に何回か仕入れをしているケースが多いのですが、どうしてもお花は生ものなので、売れ残ってしまったお花は廃棄処分になります。ウエディングやイベントで使われた後に捨てられるお花もロスフラワーと呼ばれています。

しかし、廃棄処分といっても、当社のお店で取り扱っているのは市場で余ってしまう過大在庫です。市場の仲卸業者さんの方で抱えてしまう過大在庫を、細かい種類の指定はできませんが、買取しています。毎週何が来るかは分からないのですが、それも一つの楽しみです。

#flowershipへの今後の想い

ロスフラワーを減らしていくことが目的なので、ロスフラワーの店舗を増やすことは考えてはいません。神楽坂店のような切り口で、全然違う習慣にお花を添えていくような店舗などができたら、3店舗目という展開も視野に入れていきたいと考えています。

中長期的には、もっと花を魅力的に、身近に感じてもらったり、花を好きになってもらう努力にエネルギーを注いでいけたらと思っています。

  • 廃棄されてしまう花のことをロスフラワーと呼ぶ

    廃棄されてしまう花のことをロスフラワーと呼ぶ

  • ロスフラワーで作られた花束

    ロスフラワーで作られた花束

  • 1店舗目の#flowership駒沢大学店(東京都目黒区)

    1店舗目の#flowership駒沢大学店(東京都目黒区)

(無断転載禁ず)

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