花・植物を気軽に飾り、贈り合うカルチャーを創るために
- 上甲 友規 さん/BOTANIC 代表取締役
- 愛媛県出身。一橋大学経済学部卒業後、AGC株式会社、戦略コンサルティングファームを経てBOTANICに入社。花と緑の専門店「ex. flower shop & laboratory」、花と新聞の定期便「霽れと褻(ハレとケ)」、新鮮で高品質なブーケを届ける「LIFFT」を運営する。花や植物に関わる全ての人々を幸せにするために、花き産業をリードする会社を目指している。
https://www.botanic.in/
ユニークな視点で「花」をお届け
花屋・フラワーカンパニー「BOTANIC」代表の上甲と申します。
弊社は、東京で「ex. flower shop & laboratory」という花屋3店舗を運営しながら、お花や植物での装飾や植栽、そしてオンラインで全国のお客さまに花束やアレンジメント、お花の定期便(サブスク)サービス「LIFFT」などを提供しています。
私は、(誤解を恐れずに申し上げますと)花屋に憧れていたわけでもなければ、フローリストとしての修行時代も経験していません。一般的なお花屋さんの代表とは異なる経歴ですが、だからこそユニークな視点で事業を展開できると思っています。
花き業界へ足を踏み入れたきっかけ
「憧れはなかった」と言いましたが、私の両親の田舎はどちらも農家をやっていて、幼少期から帰省の度に農作業を手伝っていました。祖母いわく、物心つくかつかないかの頃から、野菜収穫センスに溢れていたそうです(笑)。その中で、農業の魅力を感じるとともに、年々増える遊休農地を目の当たりにし、営農の難しさを肌で感じていました。
そうした原体験から、いつか一次産業に何らかの形で関われないか?という想いを持ち続けていました
大学卒業後、サラリーマンとして10年ほど働いていましたが、ある時、前代表から経営の相談を受けるようになり、少しずつ事業を手伝うようになりました。その中で、花の生産も米や野菜と同じく農業であることや、花・植物の魅力に気が付きました。そして、現職であるBOTANICに入社し、その1年後には事業を引き継ぎ、代表となりました。
「花」の魅力を伝えるために
花き業界は、バブルの頃を境に市場規模が縮小したといわれていますが、人々の喜怒哀楽に寄り添う「花」という商材の魅力がまだまだ伝わっていないと思っています。肉や野菜と同じように花にも名産地があり、花を束ねるためにフローリストは高度で繊細な技術を用います。
そういった情報を少しでも多くの方にお伝えするために、弊社のサブスクサービスには「LIFFT journal」という情報誌を同梱しています。また、さまざまなブランドやアーティストとコラボレーションし、イベント装飾等を通して、花や植物の魅力を発信する活動にも力を入れています。
なにぶん花は奥が深い文化であり、また、生ものゆえに取り扱いが難しく、まだまだ至らない点もあります。価格や利便性を考慮しつつ、お客さまに共感していただけるよう、一輪の花から大きな装飾まで、一つ一つ心を込めて提供していきたいと考えています。
花を脇に抱えて、颯爽(さっそう)と歩く人々。パートナーや家族のために毎週金曜日に花を買う人。小さな飲食店のテーブルにある一鉢のグリーン…花・植物がもっと身近な文化になるよう。花屋に憧れたわけではない私だからこそできること、そして新たな文化を切り開く挑戦を、これからも続けてまいります。
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