東京スカイツリーと私 〜建設着工から今日まで毎日写真に残す〜
- 新湯 哲生さん/写真家
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スカイツリーの写真を撮るきっかけ
会社員時代、もともと写真が趣味で、休日は上野動物園で動物を撮ったり、浅草の街並みなどを撮ったりしていました。
2006年春、自宅から1㎞のところにスカイツリーが建つことが決定し、当時は特に気に留めませんでした。しかし、3年後の2009年春、家から建設用のクレーンが見えたので現地に様子を見に行ったところ、巨大なタワークレーンが三基立てられており、今まで見たことのない建設風景を目にしました。
「世界一の電波塔がこの場所に建つのかぁ」と、興味を持ち、スカイツリーが200mを超えた頃から、成長していく姿を写真で記録しておこうと思い、毎日撮るようになりました。
ヘリコプターをチャーターして空撮
スカイツリーが高くなるにつれ、上部で行われている最先端の工事の様子が見られなくなってきました。「上の方はどのような作業が行われているのか見てみたい!ヘリで上空から見るしかない!」と思い立つも、どこに問い合わせればよいのか分からない。いろいろ調べたところ、個人チャーター(5人で15分7万円)できるヘリ会社を見つけ、仲間を募って割り勘でフライトしました。私はヘリも空撮も初めてだったので、いろいろな興奮が混ざり合い、あっという間の15分で撮れ高も良くなかったですが…。私に限っては、この時からヘリ空撮にハマってしまい、パイロット含め二人乗りヘリ(15分3万5000円)を利用するようになり、建設期間中に32回空撮を実施。回を重ねるごとに空撮テクニックが上達し、パイロットさんとの呼吸(これは大事)も合ってきて、思い通りの貴重な空撮写真を残すことができました。
スカイツリーの魅力
スカイツリーは、朝焼け、夕焼け、虹、入道雲、雷、月、太陽、星空、富士山、桜、飛行機、電車、船、ビル、街並み、お祭り…。何と一緒に撮っても「絵」になる被写体です。対象物によって、レンズ・露出・シャッタースピード・構図などが異なるため、撮っているうちに撮影スキルが身についていくのも楽しいですね。
例えば「金環日食をスカイツリーのてっぺんに重ねて撮る」。そもそも太陽を撮ったことがないうえに、その瞬間をスカイツリーに重ねて撮るという超高難度なミッション。
まずは太陽撮影用のフィルターを購入し、太陽撮影の勉強から始めました。太陽が金環日食になる瞬間の場所を調べ、1週間ロケハン(事前下見)とテスト撮影をしました。ところが当日の天気予報は曇り。郊外に撮りに行くことも考えましたが、晴れることを信じて前日からスタンバイ。当日は予報通り曇っていましたが、その瞬間が迫るにつれ、雲間から太陽が見え隠れし始め、何とか1枚だけ撮ることに成功。歓喜の瞬間でした。
今後の展望
スカイツリーを関東近郊の山頂から撮ってみたいですね。富士山、高尾山、筑波山、武甲山など、各山頂から見えることは分かっているので、いつか挑戦してみたいです。
そして、ライティング撮影の継続です。スカイツリーは2012年の開業以来、約240種類のライティングを発表、点灯してきましたが、今のところ漏れなく全て撮影しており、これからも撮り続けていきたいです。
最後に、写真仲間と1年間の「撮れ高」の発表の場として、毎年春~夏にギャラリーを借りて「東京スカイツリー定点観測写真展」を開催しています。2024年も開催予定ですので、ぜひ見に来てください。
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