秘めた想いをハンコにのせて
- 安東さん/スーパーハンコアーティスト
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@andokazuyuki
スーパーハンコアートとは
ハンコを無数に捺(お)しその集合で表現する、ハンコによる点描のようなものです。
遠くから引いてみた時にはただの大きな絵でも、近くに寄って見た時に文字になっているという驚きがあり、「絵」と「文字」の二重に意味を持たせられるという特徴があります。直接声に出して言ったり文章にしたりするのは恥ずかしい、こわい、そんな勇気がない、というようなことを発信する手段として、アート作品にしてハンコの文字一つ一つにその想いを込め、捺し、絵を描く独自技法です。
スーパーハンコアートは2009年に考案し制作しているのですが、この名前にしたのは、ただハンコアートというと消しゴムハンコのようなハンコを作る人と勘違いされると思ったからです。僕はハンコを作っているのではなく、ハンコで作っているので、そこの区別をつけたくてスーパーをつけました。とはいえ、ハンコも市販のものではなく全て特注なので、ハンコを作っている人でもあります。
才能がなかったのでハンコを死ぬほどいっぱい捺しまくった
なぜこのようなアートをやっているのか、それは僕に才能がなかったからです。絵が特別うまいわけではない、でもハンコを捺すことはできる。誰でもできる。でも死ぬほどいっぱい捺しまくって、絵を描いている人は見たことがない。というわけでハンコを死ぬほどいっぱい捺しまくって絵を描いてみました。
一番最初の作品を作った時は、もうただただしんどかったです。もともと飽き性で根気がない僕なので、何度も投げ出したくなりましたが、一生に1回ぐらいは何か頑張ったと言えるものがほしいと思い、頑張りました。
そして完成したものを見た時、今までに感じたことがない達成感と高揚感というか、そんな気持ちよさを感じました。たくさんの人からも称賛されました。とんでもなく手応えを感じることができたのです。そこからはもうやみつきというか、ハンコを死ぬほどいっぱい捺しまくることも苦ではなくなりました。その達成感と高揚感と称賛を得るために。
夢だったテレビ出演
僕は昔からテレビが大好きでした。見たいテレビがあるからという理由で友だちからの遊びの誘いもたくさん断ってきました。将来はテレビに関わる仕事をしたい、あわよくば出演する人になりたいと思っていました。
スーパーハンコアートを始めて5年たった2014年、その夢がかないました。テレビ出演依頼の連絡があった時、新宿駅で人知れず泣きました。それぐらいうれしくて、当時のブログにも熱い文章を投稿しました。10年ぐらい前に書いたもので、恥ずかしいので検索して読んだりしないでくださいね。ブログの名前は、『安東の「どう」は藤じゃなくて東』、記事のタイトルは『お父さん、お母さん、弟、世界のみんなへ』です。絶対に見ないでくださいね。
それから運良く何度もメディアに出させていただき、それも仕事だと思えるぐらいになりました。こうして文章を書かせていただくのも好きなのでうれしいです。
夢や目標なんかずっとない
僕にとって今後の夢や目標、今後の展望などを語るのはとても難しくて、聞かれたらいつも考え込んでしまいます。幼稚園の頃からそうでした。ですがアート活動は楽しくて好きでやっていることで、ずっと続けていたらたくさんの人に楽しんでもらえたり、テレビに出させてもらえたり、作品を買ってもらえたり、依頼してもらえたり、こうして文章を書かせてもらえたり…。ありがたいことに仕事になっているので、この活動をずっと続けていければいいなと思います。
まあでも別にやめなかったら続いていきますし、やめなければいいだけだと思っています。しいて言えば、これからもたくさん展示やワークショップを開催し、個人や企業に関わらずたくさんの人とコミュニケーションをとりながら、スーパーハンコアートを見て楽しんだり、体験してもらえたりしたらいいなと思います。
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