手影絵と私
- 飯田 周一さん/劇団かかし座 俳優・企画制作
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劇団かかし座
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【メール】info@kakashiza.co.jp
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魅力について
手影絵は、誰でも気軽に楽しむことができる遊びです。幼い頃に、手で「カニ」や、「キツネ」を作って遊んだことがあるかと思います。光があれば、至る所が影絵のキャンバスになります。
私たちは二つの手を組み合わせるだけで100種以上のモチーフを作り出すことができます。そして、手影絵はまるでダンスのように表現が多様です。言葉がなくとも、ドラマチックに演じることができるのです。
知ったきっかけ
私は今、横浜市都筑区にある「劇団かかし座」で俳優・企画制作として働いています。かかし座は1952年創立の影絵の専門劇団です。NHKの専属劇団としてスタートし、現在は全国の小学校、幼稚園や保育園、文化ホールや市民会館などで影絵劇の上演を行っています。影絵に関することなら何でもお受けしており、影絵や影絵映像の制作、映画・PVなどの企画制作・出演もあります。影絵の何でも屋さんですね。
私は1992年に入社して以来、30年以上にわたり俳優として舞台に立ち続けています。
手影絵を知ったきっかけは、もちろんかかし座にご縁をいただいたからです。入団後は影絵人形を使用して、物語を演じるチームに入っていました。入団して2年目、別のチームに異動。そのチームが手影絵を扱うチームでした。私は元々そんな器用な方ではなかったのですが、このシンプルな表現方法にのめり込みました。新しい動物のイメージがどんどん生まれてきたのです。気付いた時にはこの手影絵のとりこになっていました。今では海外ツアーメンバーとしてコーディネートから出演、手影絵作品の企画や指導に関わらせてもらっています。いろいろな仕事がありましたが、滝沢秀明さんの舞台や、コブクロさんのPVなどが印象に残っています。
手影絵とは
西欧では昔の絵画に手影絵を演じている姿が見られますし、日本では江戸時代の文献に手影絵の作り方が見受けられます。手影絵は世界中で昔から楽しまれていたようです。また、マジックのトレーニングとしても手影絵は取り入れられているようです。確かに指先を器用に扱うマジックと手影絵は共通点があるように思います。
現在も、世界各地に手影絵のアーティストがいらっしゃいます。しかし、かかし座が決定的に違う点があります。それは、かかし座の舞台がアンサンブルであるということです。グループで演じ、手影絵のダンスやドラマを展開するという手法は独自のものです。そういう点ではかかし座は手影絵の新たな可能性を拓いていると思います。
今後の展望
私個人の目標としては、二つあります。
まず一つは、世界へ向けて、この日本発の手影絵による舞台芸術をもっと発信していく、ということです。2009年、手影絵のみを使ったかかし座の舞台作品「Hand Shadows ANIMARE」(ハンド シャドウズ アニマーレ)が、ドイツの影絵フェスティバルにてプレミアデビューして以来、アジア、ヨーロッパ、南米など世界27カ国、44都市で公演し、ご好評を頂いています。
昨年2022年5月にはルクセンブルク、リトアニア、ドイツでの欧州ツアーを実施。リトアニアではウクライナ支援公演を満席にするなど大成功を収めました。言葉の壁、国境の壁を越えて、手影絵はさまざまな人、世代に楽しまれています。私は世界中に発信することによって、未来を担う子どもたちにこの手影絵を楽しんでもらい、知ってもらい、そして演じてもらいたいと思っています。
そしてもう一つは、かかし座のホームタウンである横浜市都筑区での活動です。コロナ禍は、私たちに深刻なダメージを与えましたが、それは同時に地域とのコネクションを深めるきっかけにもなりました。
地域に根付いた取り組み、子育て世代や高齢者向けの観劇の機会やワークショップなどを積極的に企画して、この手影絵を使って地域を盛り上げる一助とさせていただきたいと考えています。
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