連載コーナー
私の体験

2022年7月掲載

ねんどで子どもたちを笑顔に

岡田 ひとみさん/エデュテインメントアーティスト/ねんドル

岡田 ひとみさん/エデュテインメントアーティスト/ねんドル
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ねんドルの始まり

「私だからこそできる、誰かを楽しませることをしたい」その想いが“ねんドル”のスタートでした。

子どもの頃からステージに憧れていた私は、高校生のときに受けたオーディションをきっかけに芸能界に足を踏み入れました。どんな仕事も楽しくて仕方がなかったけれど、私の代わりはいくらでもいるのではないかと、だんだん自分の必要性を感じなくなっていました。

行き詰まって相談したのが、以前お世話になっていた構成作家(現ねんドルプロデューサー)で、そして誕生したのが、私の特技である、ねんどにアイドルを組み合わせた“ねんドル”だったのです。

2002年にねんドルとしての活動を始め、ねんどによるミニチュアフード作品の個展を開催。その会場の記録を塗り替えるほどたくさんの方が足を運んでくれました。作品を買いたいと言ってくださる方もいらっしゃいましたが、私は「作る楽しさを広げたい」と思い、大好きな子どもたちに向けてミニチュアフードを作る、ねんど教室を開くことに決めたのです。

ねんど教室のスタート

知育玩具として使われる物や細かな作品制作に向いている物等、ねんどにはさまざまな種類がありますが、その中で最も軽く柔らかい「軽量ねんど」に出合い、ねんど教室で使ってみることにしました。

そして空間作り。とっておきの体験にしてほしくて、衣装を着たり、オリジナルの音楽をかけたり、ワクワクの演出をします。

また、食べ物の歴史や栄養素の話をして食育につなげたり、比率や図形を学べるよう話したり、子ども同士の交流(コロナ禍で今はできませんが…)をしてもらったり、ねんどを楽しみながら学べる“エデュテインメント”を目指しました。

子ども向けの番組に出演していたことも手伝って、イベントにはたくさんの方が来てくれるように。

そんな中、不安に襲われたのです。私にとって100人に1人の子どもでも、その子にとっては100年に1度だけの経験かもしれない。言葉や仕草一つ一つが、大きな影響を与えるということを。

子どもたちを知ること

そこで社会人でも教育学を学べる大学の講座を見つけ、通い始めました。さらに、小児救急法や海外での教育法、食育、アート教育等、気になる講座を探しては時間が許す限り受講しました。

実際にねんど教室で対応して学ぶことと、学校で専門家の方々から学ぶこと、どちらもとても大切で「誰に何を伝えたいか」というビジョンをハッキリさせるのに役立ちます。

また、子ども向けのねんどの作り方の書籍が少なかったため、この頃は本を出すことにも力を入れていました。それらに想い、メッセージを込めています。

NHKの番組

ねんドルの活動を始めて10年経った頃、思いがけないチャンスをいただきます。それはずっと一つの夢として持っていたEテレへの出演でした。そこで“おねんどお姉さん”というキャラクターを演じることにより、番組を見てくれている未就学の子どもたちの教室の参加が増えました。

どの世界も同じだと思いますが、自分で作ることと人に教えることは全く違った技術が必要です。よりわかりやすく、しかし簡単すぎず達成感のある安全なことを教える。そこは今でも力を入れて開発中です。

海外を回って

十数年前、カンボジア旅行をした時に「現地の子どもにもねんど作りを体験してほしい」と思い、孤児院でねんど教室をさせていただきました。キラキラの瞳、真剣な面持ち、日本の子どもたちと同じように楽しんでくれるその姿に心揺さぶられ、また挑戦してみたいと思うように。それからは海外旅行をするときは必ず現地の学校や幼稚園、アートスクール等に打診し、受け入れてくれる場所へ衣装や材料を担いで持って行っています。誰もが受け入れてくれるわけではありませんでしたが、やれば必ず気に入ってくれて大人も笑顔になってくれる。その瞬間に私はもう普通の旅はできなくなっていました。それから5大陸25都市で開催し、今でもニューヨークのアートスクールではオンラインで指導しています。

20周年、そしてこれからの未来へ

20年前の私はねんどでさまざまなことができるなんて思っていなかったけれど、一つのことと向き合い続ける大切さを子どもたちが教えてくれたのです。

この秋、20年前と同じ場所での個展を予定しています。まだまだ作りたいものがたくさんあります。まだまだ会いたい子どもたちがたくさんいます。これからの10年、20年へ向けて、この場所で夢の続きを作れたら。

  • ミニチュア作品(ハンバーグ)

    ミニチュア作品(ハンバーグ)

  • ミニチュア作品(お好み焼き)

    ミニチュア作品(お好み焼き)

  • 2022年の日本でのねんど教室

    2022年の日本でのねんど教室

  • 2019年のザンビアでのねんど教室

    2019年のザンビアでのねんど教室

(無断転載禁ず)

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