連載コーナー
本音のエッセイ

2022年10月掲載

自分の本音は何?

橋本 翔太さん/心理カウンセラー(公認心理師)

橋本 翔太さん/心理カウンセラー(公認心理師)
公認心理師/臨床心理学専攻教育学修士/音楽療法家。YouTube登録17万人超え。心に特化した【コーダサプリメント】【ピアノセラピー】が反響を呼ぶ。著書に『聴くだけうつぬけ』等多数。詳細は【橋本翔太】で検索を。

あなたの本音が何なのか、意識できていますか?今、自分の本音がわからない人が増えています。それが心の不調だけでなく、人生の停滞にまでつながっていることをご存じですか。私は公認心理師(国家資格)として多くの方の心理カウンセリングを行う中で、不調の原因が自分の本音を無意識に抑圧していたから、という方をたくさん見てきました。

家庭環境などさまざまな理由で、親や周囲の大人の顔色をうかがって気を遣い、まるで親の親代わりをするように親の心のお世話をしてきた(親の愚痴の聞き役、不安定な親を励ます役、勉強などで親の期待を背負っていた、素の自分を受け入れてもらえない等)子は、子ども時代を早々に諦め、早く大人になろうとします。このとき自分の本音にふたをする癖を身につけます。自分の本音が聞こえてしまったら、大人の要望に応えられないからです。

心当たりがあるのなら、今からでも自分の本音を迎えにいきませんか?

簡単な心理ワークをご紹介します。胸に手を当て、そこに幼い自分がいると思って「○○ちゃん(自分の名前)、あなたの本音を教えてくれる?私、大人になったから、今なら話を聞けるよ」と問いかけてみてください。バカバカしいと思うかもしれません。でも続けていくとある日ふと「本当は〜はイヤ。本当は〜したい」という声に気づきはじめます。そのかすかな言葉に耳を傾けてあげてください。私自身も、心の中に置き去りにした自分に何度も語りかけ、少しずつ本音を教えてもらううちに本当に生きたい人生が見えてくるようになりました。

最初は大人の視点から見たら、無駄と思える内容かもしれません。もっと漫画を読みたい、出かけたい。あるいは、また絵を描きたい、ただ歌を歌いたい。かもしれません。くだらないと一蹴せず、幼い自分と一緒になって実行してみてください。すると心はあなたを信頼しはじめ、さらに本音を教えてくれるようになります。

仕事や家族と多くの人の期待に応えてきた「優しい頑張り屋さん」ほど自分という大切な人間を置いてきぼりにし、自分の本音をなかったことにしがちです。

一分でも「私の本音は何?幼い私は、本音はなんて言っているのかな?」そう自分の本音に耳を傾ける時間を作ってみませんか。その対話が心を軽くし、本当の人生が動き出します。

(無断転載禁ず)

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