連載コーナー
本音のエッセイ

2021年4月掲載

マジメに防災やろうよ

国崎 信江さん/危機管理アドバイザー

国崎 信江さん/危機管理アドバイザー
女性や生活者の視点で家庭、地域、企業の防災・防犯・事故防止対策について提唱。講演、執筆、リスクマネジメントコンサルなどの他、NHKラジオ『マイあさ!』の「くらしの危機管理」のコーナーやテレビ、新聞などで情報提供を行っている。

近代都市で初めて起きた未曾有の大災害、阪神・淡路大震災(1995)から26年。日本の建築、土木技術を高く評価していた私にとって、あの震災は衝撃だった。家もビルも高速道路もあんなに脆く崩れるのかと。この世の終わりのような絶望感をもったことを覚えている。それからの日本はさまざまな災害が多発した。

あなたは次のうち、一体どれほど覚えているだろうか。有珠山噴火、三宅島噴火、鳥取県西部地震(2000)、芸予地震(2001)、新潟県中越地震(2004)、福岡県西方沖地震(2005)、能登半島地震、新潟県中越沖地震(2007)、東日本大震災、長野県北部地震(2011)、広島豪雨、御嶽山噴火(2014)、熊本地震(2016)、九州北部豪雨(2017)、大阪府北部地震、北海道胆振東部地震、西日本豪雨(2018)、房総半島台風(2019)、令和2年7月豪雨(2020)。これ以外にも記載していない災害がたくさんある。

地震(津波、火災)、火山噴火、豪雪・豪雨(土砂災害、洪水)、台風(暴風、高潮)、これほど多様な災害が頻発する国は世界でも珍しい。

こんな災害大国に暮らしていながら防災に関心のない人が多いことが不思議でならない。防災リュック程度で備えていると勘違いしている人もいる。リュック一つでなにが救えるというのか。防災対策本すら読んだことのない人がたくさんいる。防災知識もなく、災害大国に暮らしている自覚もない。しかも誰かが自分を守ってくれると信じている。

気候変動でますます頻発化・巨大化した豪雨や台風は、これから日本に毎年やってくる。私たちはすさまじいエネルギーで襲ってくる災害に人生をかけて向き合っていく必要がある。

せめて自分の災害リスクを知ろう。まずは土地。揺れやすさ、液状化、津波、洪水、土砂災害、どんな危険があるのか。

つぎに建物。地震、浸水、暴風に耐えうる屋根や構造か。浸水のおそれがある地域なら、かさ上げや高床など被害に遭いにくい建て方があるだろう。そして家具や家電の固定。備えとして発電機や燃料の備蓄、井戸を掘るのもいい。やることはたくさんある。

それから住宅。住宅設備家具、厨房および事務機器の製造業者には災害を考えたモノづくりをしてほしい。固定しやすいデザインおよび固定用器具の付属。扉や引き出しの開き防止。合わせガラスの標準化。メーカーのものづくりに、使い方次第で被害が拡大化しないかという視点がないことは、この国の最大の問題だ。

しかし、消費者の防災を求めるニーズがあれば企業のモノづくりが変わるだろう。

メーカーも私たちも、そろそろ災害に向き合って大切な人、家を守れる社会にしていこう。

(無断転載禁ず)

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