連載コーナー
本音のエッセイ

2018年9月掲載

「悪い!」と言うことは“良い”ことか!?

長谷川 ヨシテルさん/歴史ナビゲーター・歴史作家

長谷川 ヨシテルさん/歴史ナビゲーター・歴史作家
1986年埼玉県生まれ。あだ名は「れきしクン」。元芸人という経歴を生かし、現在は歴史ナビゲーターとして、テレビ・ラジオ出演のほか、全国での講演活動やイベントの司会、番組の構成作家を務めるなど、幅広く活動している。著書に『ポンコツ武将列伝』(柏書房)、『はじめての織田信長』(白泉社)など。

私はメンタルがすこぶる弱いです。自分が出した書籍などを否定されようものなら、ズンと落ち込んで、この世の終わりのような雰囲気を漂わせてしまいます。実に情けない大人です。

「だから」というわけではないのですが、私は自分だけでなく、直接自分とは関係ない世の中の批判的な意見に非常に敏感になっています。

特に最近は、新聞やテレビだけでなく、SNSからも“悪い”モノに対して「悪い!」という意見が気軽に発信され、なんだか過剰に反応する風潮になっているように感じます。確かに“悪い”ことに関して、批判することは非常に重要なことだと思うのですが、なんでもかんでも“悪い”ことに関して「悪い!」と言うことは“良い”ことなのでしょうか?

例えば「政治家の○○が賄賂を受け取っていた!」というようなニュースがあったとします。そうしたら世の中からは「賄賂を受け取るなんてとんでもない政治家だ!」「辞職しろ!」などという批判的な意見が出ることでしょう。私も同意見です。

しかし、それは“悪い”ことを「悪い!」と言って高尚な立場に立っている気になっている自分に満足しているだけで、“悪い”ことに関する根本的な問題解決には何もつながっていないと思うのです。

起きたことは起きたことで割り切って受け止めるべきであり、世の中が意見を出し合わなければいけないのは「なぜその問題が起きてしまったのか」「起きた時にはどのような罰則を与えるべきなのか」「更生するためにはどうしたら良いか」など、“悪い”ことの前後についての問題であると思います。

これは私の本職である『歴史』に関しても同様で、事件や人物を単に覚えるだけでなく、「なぜその事件が起きたのか」「どうしてその人物が名を残したのか」など、その前後にどういった時代背景があったのかを理解することが何よりも大切です。

歴史のテストで「暗記はダメだ!」などとよく言います。少し飛躍的かもしれませんが、この暗記教育を徹底していた子どもが大人になって“悪い”ことをただ「悪い!」というだけになっているのかもしれません。

つまり、単純に“悪い”と言うだけでは世論は“悪い”方向に進んでしまうので、“悪い”ことがどうして起きて、どのように解決しなくてはいけないかということを各々が考えて発信していくことが“良い”ことであると思うのです。

あ、だからと言って「私の書籍などを悪く言わないで!」というわけではございませんので、もしお気に召しませんでしたら、ほどほどに批判してください(笑)。

(無断転載禁ず)

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