自分を幸せにできるのは自分
- 宇佐美 百合子さん/作家・心理カウンセラー
- 1954年生まれ。ネット・カウンセリングの先駆者。読売新聞社主催ヒューマンドキュメンタリー大賞に『二つの心』が入選。『がんばりすぎてしまう、あなたへ』『もう、背伸びなんてすることないよ』はベストセラー、近著は『運命は、きっと変えられるよ』(幻冬舎)。
みんなで撮った集合写真を手にしたとき、真っ先に見るのは誰でしょう?間違いなく自分ですね。大勢の中から自分を見つけて映り具合をチェックする。私たちは、そのくらい自分のことが気になって仕方のない生きもののようです。
明けても暮れても自分のことを考えて人生がうまくいくように策をめぐらせ、その延長で家族や身近な人のことも心配する。それほど自分のことを案じているにもかかわらず、普段は自分に冷たくする人がとても多いのです。かくいう私も、かつては自分ができたことより、できないことばかりに目がいって「まだ足りない!」「これじゃ全然ダメ!」と随分冷たく当たりました。ありのままの自分を認めることができなかったのは、人と比べて劣等感を感じていたから。私は自分を優秀な別人にしようとして苦しんでいたのです。
その後、「もう傷つきたくない、ありのままの自分で幸せに生きたい!」という思いに駆られて心の研究をはじめました。すると、気付きが波のように押し寄せ、それを言葉にしたものが幸運にも次々と出版されるようになりました。その数は、20年で50冊になります。
著書やインターネットを通して“幸せに生きるヒント”を発信しながらつくづく思うのは、誰の人生にもままならないことは起こるし、悔しくて眠れない夜もあるかもしれないけれど、そこで味わうのは“自分を愛する体験”か“自分を愛しそこなう体験”のどちらかしかないということです。
自分を愛しそこなって悔やんだり、責めたり、あの人が悪いと逆恨みをすれば、苦悩が増すばかり。アメリカの心理学者、バーバラ・アンジェリスは、『愛することで失うものはひとつもない。何かを失うのは、つねに愛さないことによってである』と明言しています。
大切なことは、窮地に立たされた自分をやさしく受け入れることなのです。「これですんでよかった」「この経験はきっと役に立つ」「まだ生きているだけでありがたい」と言い聞かせていると、自然に感謝の気持ちがわいて心は元気を取り戻します。つらいときほど痛んだ心に寄り添って、温かい言葉をかけてみましょう。
自分を愛するか、自分を愛しそこなうか、それを決めるのは自分だということを忘れないでいてください。私たちに“意志”があるのは、自分を愛する体験を選び取って自分を幸せにするため。そして、その喜びを他の人を愛する体験につなげて、さらに大きな幸せを手に入れるためなのです。
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