連載コーナー
本音のエッセイ

2014年1月掲載

「愛語」

鎌田 敏さん/こころ元気配達人・こころ元気研究所 所長

鎌田 敏さん/こころ元気配達人・こころ元気研究所 所長
1968年生まれ。2005年にこころ元気研究所を設立し、講演や研修活動を開始。企業、商工団体、行政、学校など多方面から依頼を受け、講演回数は1000回を超えている人気講師。楽しくて分かりやすい参加型講演・研修を通して元気と笑顔を全国に届けている。

永平寺を開山された道元さんの有名な教えに「愛語よく廻天の力あり」があります。僕はこれを、思いやりある言葉や励まし言葉は、人の心に大きな影響を与えるものだと解釈しています。

さて、僕は全国各地の自治体、企業、学校などに講演や研修で訪れ、旅人のような生活をしています。脱サラし、このような活動を始めたのですが、それまでは人前で、しかも大勢の方々の前で話をさせていただく経験など、ほとんどありませんでした。でも、どうしてもやってみたいという想いに駆られ、自宅の部屋にホワイトボードを置き、姿見の前でカラオケ用のマイクを握って毎日90分ほど話をする自主トレーニング(聴講してくださる方が目の前にいるとイメージしての講演トレーニング)を200回以上はやったでしょうか。  

それでも将来への不安がありました。大丈夫だろうか、家族を守っていけるのだろうか、と。何か誇るべき特別な実績もない僕が、講演活動を始める…。そこに不安があって当然ですよね。安定した生活から不安定な生活へ飛び出すには、勇気が必要でした。

でも、僕は飛び出しました。8年ほど前のことです。そのきっかけは妻のひと言でした。「あんたやったら、やれると思うよ!」。うれしかった。僕にとっての最高の愛語でした。根拠のない自信だけど、僕はやれると心のエネルギーが上昇しました。そして、ご縁に感謝しながら、ひとつひとつの場所で全力投球しながら駆け続けて現在に至ります。最近では駆けてばかりでなく、時々歩くことができる心のゆとりも増えてきたように思います。

元気や勇気というエネルギーは内側から発することも大事だけれど、いつも出し続けることはできません。一方で、元気や勇気というエネルギーは外側から、つまり人から頂くことがありますね。だからこそ、思いやりある言葉や励まし言葉、褒め言葉、感謝の言葉、ねぎらいの言葉などをキャッチボールすることはお互いの笑顔や元気にとって、とても大切だと思っています。

僕にとっての最高の愛語。妻からのひと言だったわけですが、そのことを妻に言っても「私、そんなこと言った?」「覚えてないなぁ~」でございます。人生とは面白いですね。愛語とは受け取った側の宝物なのでしょうね。

(無断転載禁ず)

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