連載コーナー
本音のエッセイ

2011年10月掲載

「ゲイマリッジ(セイム・セックス・マリッジ)アメリカ、ニューヨーク」

中鉢 明子さん/女優・タレント

中鉢 明子さん/女優・タレント
1982年横浜市生まれ。玉川大学在学中にデンマークに留学。これを機に30カ国を小さなカバン1つで旅して回る。訪れた国々でアポなしで積極的にボランティア活動に参加。卒業後、モデル活動のかたわらミス・ユニバースに応募。2007年「ミス・ユニバース・ジャパン」第3位に選ばれる。

先月、ニューヨーク州で「セイム・セックス・マリッジ」すなわちゲイの婚姻が合法化され、連日朝から晩までこのニュースで持ちきりだった。

「性同一性障害」という病気を知ったとき、それを病気だと認められる時代が来たことを喜んだ。しかし、たとえ性同一性障害でなくても、本人たちがよければ同性同士で自由に恋愛することは不思議ではない…と思う。幸せというのか、豊かというのか、自由な世の中になったなぁ、と受けとめていた。

長い間、真摯なパートナーシップを築いてきた同性カップルは大勢いる。法的に認められることで配偶者問題を始めとした種々の問題が解決し、さらに2人の絆を深くし、自己への自信に繋がるのなら、と理解する半面、他に最善な策はないのか、とも考える。 

今回のニュースを日本で知っていたら、ここまで深く考えなかったかもしれない。でも…、少し引っ掛かるのは、私が今ニューヨークで暮らしてるせいかもしれない。 

先日、同じスポーツジムに通う男性友人からこんな話を聞いた。男性更衣室にあるスチームサウナを利用した帰り道に他の男性利用者に連絡先を聞かれ、すぐに相手本人の裸の写真と誘いのメールが来て、とても驚いたと。友人は、自分はゲイではないと返すと、ではなぜスチームサウナに来たのかと問われたらしい。もちろん友人は、公共のスチームサウナは〝そうした〟場所だと暗黙の了解があることは知るはずもなかった。友人が、「ゲイは『SICK』ではなく『FASHION』だ」と言ったのが心に残った。実際この言葉が、私にとってはただのニュースだった事柄を、〝気になる〟ニュースにさせるきっかけとなった。この街がゲイを作っているのか…。

ゲイの世界というものが、ちょっとした興味や好奇心あるいは、心の隙間があったときに、のぞいてみるような『FASHION』的な環境であるのは確かかもしれない。 

ニューヨークは、いい意味でも悪い意味でも時代の最先端である。人の興味も行きつくところまでいってしまって、新たな興味のドアが開いてしまっているようにも思える。

物事は時代の流れに適応して変わっていくべきだと思う。けれど男性と女性の間に子どもができるというのが変わらない限り、変わらない1本の筋があると思う。 

芯があるから、他が時代とともに進化していける。今回のこの『自由』というものが、この世の何かがズレていくスタートにならなければいいなと思う。 

だいぶ話がずれてしまったかもしれない。残念ながらこの環境が、真摯な同性カップルの合法結婚をも疑問に思わせた。いずれにしても子どもへの影響が心配なところである。

(無断転載禁ず)

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