連載コーナー
本音のエッセイ

2007年11月掲載

かっこいいノルウェーの男性たち

坂東 眞理子さん/昭和女子大学学長

坂東 眞理子さん/昭和女子大学学長
昭和21年生まれ。東京大学文学部卒業。昭和44年総理府入府。昭和60年内閣総理大臣官房参事官、平成7年埼玉県副知事、平成10年在オーストラリア連邦ブリスベーン総領事、平成12年総理府管理室長、平成13年内閣府男女共同参画局長、平成17年昭和女子大学副学長などを務め、現在は、昭和女子大学学長。主な著書は『米国きゃりあうーまん事情』、『副知事日記』『男女共同参画社会へ』『女性の品格』など。

先日ノルウェーに調査に行き、オスロ市内の保育園で子どもを迎えに来た父親のヨハンセンさんと話をした。彼の言うには「父親が子育てをしているというのは1つのステータスなんだ。僕はテレビのプロデューサーだけれど、あの女の子を迎えに来ている父親は弁護士だし、あの人はオスロ大学の研究者。みんな専門職の男性たちさ」。

ノルウェーの午後4時前後、緑あふれる高級住宅街にある保育所にお迎えに来ているのは父親と母親が半々、むしろ父親の方が多いくらいだが、確かに知的なかっこいい男性が多いような気がする。

「ノルウェーでも、結婚しなかったり、子どもを持たない男女がいるけれど、子どもが持てるというのは持続的なパートナーがいて、そのパートナーと信頼関係があって初めて可能になる。その子を大事に育て、親と子がいい関係が持てるというのは、男性にとってもとても人生で大切なことなんだ」。

「でも、長時間働かなければ評価されない仕事についている男性には子育てはできない。自分の能力や実績に自信があって自分の働き方を自分でコントロールできる男性だけが子育てを楽しめるのさ」。

ノルウェーやスウェーデンなど北欧諸国は、日本に比べ出生率は高い(日本1.32、ノルウェー1.81)。また女性の社会進出が進み、男女平等な国として名高い。女性の労働力率は75%(日本は51%)を占め、国会議員の48%、管理職の30%が女性である。しかも経済成長率は日本より高い。それを支えているのは男性たちの協力であり、男性たちは育児や家事も4割方分担している。パパクオーターといって4週間父親の育児休業もある。1番感心するのはそれをいやいや押し付けられて、仕方なくやっているのではなく、誇り高く胸を張ってやっていることである。日本も安い賃金で長時間働かなければ厳しい国際競争に生き残れないと思い込むのはやめよう。もっと人が真似のできない、新しいビジネスモデルやアイデアで勝負して、そしてお金にならなくても人生を豊かにすること、例えば育児に時間とエネルギーを使わなければならないのではなかろうか。

(無断転載禁ず)

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