連載コーナー
本音のエッセイ

2007年2月掲載

掃除は家との対話

小林 祥晃(Dr.コパ)さん/建築家

小林 祥晃(Dr.コパ)さん/建築家
1947年東京都生まれ。建築家(一級建築士)。風水の家相・方位、インテリアの第一人者として分かりやすい風水学を提唱し、テレビ、雑誌、講演で大活躍している。主な著書に「風水のバイオリズム」(マガジンハウス)、「風水まるごと開運生活」(廣済堂出版)、「貼るだけ風水」(主婦と生活社)、「開運縁起の風水術」(実業之日本社)、「ラッキーカラー色風水」(講談社)など他著書多数。

「住まいは幸運の入れ物なんだ。住まいは家族と一緒に人生を送ってるんだよ。だから寂しがらないように会話しなくちゃね」。宮大工の棟梁で一級建築士の父の口癖でした。住まいとの会話、それは日本の行事や季節感のあるしつらえ、そして掃除と換気だと教えられました。父の跡を継いで建築家になったのは、父の考え方を多くの人に知ってもらいたかったからです。戦後の建築教育ではデザインやセンスが住まい作りに1番大切なものと考えられ、鬼門や家相など日本古来の住まいに対する考え方が薄れ始めていましたしね。

「占い師のようなヤツ」と言われても、Dr.コパとして方位や家相、風水を説き続けたのは、「住まいは人を作る。幸せになりたければ吉相の住まいを作ればいい。吉相といっても家相や方位のことばかりじゃない。掃除して花を飾って笑い声を部屋に響かせて住まいを喜ばせることで吉相の住まいになるんだ」という父の理論が大好きだったからでしょうね。実際僕は父が作った吉相の住まいによって幸せになったサイボーグだと思っています。仕事柄、有名占い師と話す機会も多いのですが、「コパさんの生年月日からは今の幸せは考えにくい」と異口同音に言われます。

「玄関は不運と不幸が家に入り込まないようにする家の関所。土間に落ちている不運と不幸を毎日水拭きしよう」「住まいの難は花で隠せ、植木で補え」「日本の季節の行事が家を喜ばせる」「ツキがないと感じたら掃除が1番」と声を大にして話してきましたが、お陰様でこのところは“掃除ブーム"。芸能界でも玄関掃除とトイレ掃除が大ブームで、掃除番組ができるほど。「良かった~」と心から思い、父に喜んでもらえるかな、とついつい顔がニヤけがちになるこのごろです。

時間があると今年の幸運がやってくる東南と南西方位を掃除して、そこに置いてあるゴールドとオレンジ、ライトグリーンに配色された亥の置物をきれいにし、住まいと会話している僕が、今1番関心があるのは平成25年に行われる伊勢の神宮の第62回遷宮です。遷宮とは20年に1度の神様のお社を新しく造り替えるおまつり。「住まいは新しいほど良い気が吸収できる」という建築の理論が1300年以上も綿々と続けられています。一般に考えると20年に1度家を建て直すことはなかなかできません。今年還暦を迎える僕には多分6年先の遷宮が最後の遷宮になるでしょうから、新しい家から頂ける幸運をお裾分けいただきたいなと思っております。もちろん日本人としてこの素晴らしい開運行事に協力したいですし、20年に1度のこの行事が未来永劫に渡り続くことを願っています。

(無断転載禁ず)

連載コーナー

Wendy 定期発送

110万部発行 マンション生活情報フリーペーパー

Wendyは分譲マンションを対象としたフリーペーパー(無料紙)です。
定期発送をお申込みいただくと、1年間、ご自宅のポストに毎月無料でお届けします。

定期発送のお申込み

マンション管理セミナー情報

お問い合わせ

月刊ウェンディに関すること、マンション管理に関するお問い合わせはこちらから

お問い合わせ

関連リンク

TOP