連載コーナー
本音のエッセイ

2004年7月掲載

三つ子の魂、百まで

木村 奈保子さん/作家・映画評論家・映像制作者・ボーカリスト

木村 奈保子さん/作家・映画評論家・映像制作者・ボーカリスト
京都外国語大学卒業後、CBCアナウンサーを機に、映像制作者、映画評論家へ。「女を読む映画」で日本文芸大賞受賞ほかエッセイ、評論集など著作多数。意識改革の講演ほか、自らのバンドで歌う本格的な音楽活動も行う。http://www.cinematopics.com/nahoko/

三つ子の魂百まで~子どものころの夢をしつこく抱き続けることを最近痛感し、どこまでも追い始めている。

わたしのキャリア願望は三つ子のときからで、嫁に行くよりも、何かになりたい少年のような女の子だった。放送局のアナウンサーを手はじめに、映画の予告編や番組制作者を経て、映画評論家におちついた。自分の主張を推し進める種類の仕事がかなり向いている。ただ解説する作品は媒体やターゲットによって、それなりの選択を心がける。

最近は、引退後の元気で、もてあましぎみのシニア向け講演や公演が多く、現代の映画ファンを増やすチャンスでもある。昔の映画のファンがついてゆけるもので、なおかつ、現代の作品としても意味のある作品選びをする準備は、なかなか面白い作業だ。いまどきのCGアクションやホラーから、あえて薦めることができるのは少ないが、それでも大人の鑑賞に堪え得るものを探し、一方、ヒューマンドラマでも、新旧の感覚をとらえた作品が望ましい。避けたいのは、ヒットしたからといって、話題作にとらわれること。だからといって、懐かしさから、古い映画ばかりに縛られるのもさみしい。よく、1番好きな映画は何か、と聞かれるが、その質問に答えるのは、いちばんつらい。プロとしてあえていうなら、パッション(情熱)のある作り手の姿勢が見え、人間や社会を語ることができる作品が、わたしの解説スタイルにあっている、といえようか。ただ、好きな作品といっても、例えば「十誡」から「ブルース・ブラザーズ」まで、シリアスさやユーモアの度合いはさまざまで、あえて1本を選んだことによって、その映画のイメージからわたし自身の人間性すべてを想像、かつ決定されるような気がして、つらいのだ。いま、ここに掲げるリストのなかで、とかマフィア映画のなかで…などと状況の限定をされれば、少しは応えやすいのだが。

また好きなジャンルもいろいろあり、音楽映画にはとりわけ思い入れが強い。“映画音楽”は、名場面で使われる曲が映画の主題歌として知られるが、“映画音楽”は、ミュージシャンの伝記ものやドキュメント作品を言う。そこで、数年前から機会があって、かつて何度も消化不良を起こしていたわたしの音楽活動に火がついた。“三つ子の魂、百まで願望”が再び甦り、プロのジャズメンでバンドを再結成。ジャズや映画音楽のライブ活動を積極的に始めた。先日も豪華客船のクルージングコンサートで、JAZZのMALTAさん共演によるショーを終えたばかり。わたしのパートは、これまでの歌に加えてドラム。まだ、なんちゃって、のご愛嬌レベルかもしれないが、ジャズドラムがこんなに向いているとは、人生ん十年、気が付かなかった。そんなわけで、三つ子の魂を追いかけつつ、年齢にとらわれないスタートを楽しみながら、多くのもう若くない人々に活力を与えていきたいと思う今日このごろなのである。

(無断転載禁ず)

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