透かしブロックの旅~日本からオーストラリアまで、失われゆく模様を追いかけて~

- 藤井 美奈子さん/ブロック塀研究会会長
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透かしブロックとは
こんにちは。ブロック塀研究会会長の藤井と申します。透かしブロックを追っています。
透かしブロックとは「通気や装飾のために穴が空けられたブロック」で、歴史的には第二次世界大戦後にアメリカで使用が広まり、日本には沖縄経由でもたらされたようです。日本国内のコンクリートブロック生産の最盛期は1970年頃ということで、透かしブロックの最盛期もその近辺と思われます。昭和の風情の残る住宅地等を中心に透かしブロックが多く見られるのはそういうわけなのでしょう。
時代の流れから近年では透かしブロックを製造しているメーカーさんはめっきり減っていて、私としては残念ですがそこは仕方ありません。透かしブロックは通気性さえ満たせばいいのであれば、全て同じ模様でも何の問題もないのに、実際には現段階で660種類(当研究会調べ)も確認されています。
これを追わずにいられましょうか。
透かしブロックとの出合い
私はかつて自動車通勤していた時があり、朝な夕な、必ず渋滞する場所がありました。渋滞中は特にすることもなく、毎日毎日同じ道路端の数カ所の塀を見るともなく眺めているうちに、「透かしブロックの模様ってなんか面白いな、いろいろあるんだな…」と引き込まれ、興味を持つようになりました。
受け身的立場でなく、その気になって自主的に探してみると次々と新しい模様が見つかり、透かしブロック探しにのめりこんでいったのです。折しもその頃、携帯電話をスマートフォンに買い替えたこともきっかけとなり、取りつかれたように透かしブロックの写真を撮り始めました。膨大なデータを写真集や冊子にまとめてイベントに出店したり、ブログサイトで発信したりしながら、今に至ります。
透かしブロックの魅力
前述したように透かしブロックは大変種類が多く、10年活動を続けている今でも新しいものに出合うことがまだまだあります。この種類の豊富さにまず驚かされ、また時として想像の範囲をはるかに超えるもの、すごいものを見つけることがあり、度肝を抜かれます。驚きとともに、こんなにも多種多様な透かしブロックを作った方たちに敬意を表さずにいられません。また透かしブロックのデザインには地域限定のものが多くあり、足で稼いだ活動によって地域性が分かってくると大変うれしいものです。
今後の展望
諸国を行脚して透かしブロックの写真を撮ることを「ブロック活動」と呼んでいますが、その記念すべき第一歩(初めての写真撮影)は2015年12月でした。活動10周年という大きな区切りを迎えたのだと思うと感慨深いです。
活動範囲は今や北は山形県から南はオーストラリアにまで広がっています。しかし国内の3分の1くらいの県(道)にはブロック活動としてはまだ訪問できておらず、ここはやはり日本全国制覇といきたいところです。
昨今もろもろの事情により、古い住宅や建築物等を壊さざるを得ない状況が多くあるようで、「透かしブロックが失われてしまう!透かしブロックは今後減りこそすれ増えることはないのでは?」と思うと、いてもたってもいられません。
「せめて記録に残さなくては!」という強い使命感を持ってブロック活動を始めたのが私の原点です。
近年夏の長期化や猛暑が話題となっており、10年前に比べると気候が良くて気楽に活動できる期間が格段に短くなりました。そこにもどかしさや焦りも感じますが、「なくなる前にできるだけ記録に残す!」という原点を忘れず、しかし無理はしないで、これからも楽しく活動を続けていきたいと思っています。
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