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2026年4月掲載

水切りの美学~一投に宿る世界一の技~

橋本 桂佑さん/水切り世界チャンピオン

橋本 桂佑さん/水切り世界チャンピオン
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はじめに

川に向かって腕を横に振り、石を投げると水面を跳ねていくーそんな遊びをしたことがある人は多いと思います。呼び方はさまざまですが、近年の日本では「水切り」と呼ばれることが一般的です。

実はこの水切り、世界中で親しまれており、競技として大会も開かれています。そして私は、その大会で優勝した経験を持つ、いわば水切りの世界チャンピオンです。

水切り大会について

水面と石さえあればどこでもできるため、遊びとしては本当に世界中で見られます。その中で、一部の愛好家たちが独自に競技化し、2026年には少なくとも8カ国で大会が開催されています。

もちろん日本でも行われており、国内最大規模の大会は高知県で開催される「仁淀川国際水切り大会」です。20年以上の歴史があり、毎年約200名が参加します。私はそこで3連覇を含む6回の優勝を果たしました。「国際」大会であるため、この大会で優勝するだけでも世界チャンピオンといえるのですが、私はさらにスコットランドやアメリカの大会でも優勝しています。3大陸で優勝経験のある人物は、私以外にいません。

「大会では何を競うの?」と聞かれることがあります。多くの人は「石が跳ねた回数」を思い浮かべるかもしれません。実際、アメリカでは回数を競います。一方ヨーロッパでは「跳ねた距離」が一般的です(3回以上跳ねたものだけが記録対象なので、ただの遠投では記録になりません)。

日本では回数を競う大会も多いのですが、先述の仁淀川国際水切り大会をはじめ、「回数」「飛距離」「美しさ」を審判の多数決で総合的に評価する方式が採用されています。私は「美しさ」こそが水切りの本質だと考えているため、母国日本でそのようなルールが採用されていることを誇りに思っています。

水切りは美しい

そう、水切りは「美しい」ものとして成立します。

勢いよく投げられた石が、水面に小刻みな波紋を描きながら、真っすぐに跳ね続ける光景ーそこには、人の手によって生み出される石と水の調和があります。

私のSNSアカウントで公開している動画をぜひ見ていただきたいです。この美しさに魅了され、私は練習を重ね、上級者に教えを乞うために大会へ出場するようになり、やがて優勝するまでに至りました。

美しい水切りを生み出すために

「水切りの練習って何をするの?」と聞かれることがありますが、正直に言えば「川に行って石を投げるだけです」としか答えられないことが多いです。というのも、「良い石をたくさん投げることでしか上達しない」という実感があるからです。

大会では、投げる石を自分で用意する必要があります。一般的に知られているように平たい石が良いのは確かですが、最適な大きさや重さは、自分の筋力や技術に大きく左右されます。そして、それが水切りにどう影響するかを身体で理解することが重要です。良い石があっても、それをどう投げれば美しい水切りになるのかを理解し、実践できなければ結果にはつながりません。

良い石を集めるために、良い形になりやすい石の種類を学び、地質図を見て実際に探しに行くこともしています。

今後の展望

私は現在、栃木水切り協会代表として、栃木市を中心に「全日本水切り大会inとちぎ」を主催しています。関東地方で唯一の大会として、前身を含め5回開催しており、年々規模が大きくなっています。

選手としての活動も続けつつ、大会の主催や他大会・イベントへの協力を通じて、日本の水切り文化の発展により一層貢献していきたいと考えています。

水切りには、多くの人がすでに知っていて気軽に楽しめること、自然の中で身一つでできること、そして突き詰めれば「美しさ」を追求できることーこうした魅力があります。 世界一を経験した者として、特に最後の「美しさ」を多くの人に知ってもらえるよう、今後も活動を続けていきます。

  • 横からの様子

    横からの様子

  • 前からの様子

    前からの様子

  • アメリカ大会優勝時

    アメリカ大会優勝時

(無断転載禁ず)

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