日常のあるあるを解決する発明品 ~「ギリギリ」が楽しさを生み出す~
- カズヤシバタ さん/発明家
- 1994年生まれ、広島県出身、神奈川県在住。2021年に会社員から発明家に転身。「ギリギリ役に立つ」 をテーマに、自宅兼工房で、電子工作の知識を用いてメカを日夜開発している。発明品の販売はしていない。発明品は2カ月に1回程度発表し、動画をSNSで公開。全国各地で講演やトークイベントを行う。日本テレビ『シューイチ』などメディアにも多数出演。
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ギリギリ役に立つ発明のポイント
みなさんこんにちは!カズヤシバタです。「ギリギリ役に立つ」というテーマで発明品を製作し、それを紹介する動画を作るという活動をしています。例えば、いつも変に割れてしまう割り箸をきれいに割る装置『全自動割り箸割り機』や、仰向けでスマホを操作している時の突然の落下から顔を守る装置『顔面スマホシールド』などです。
私の発明には、いつも2つのポイントがあります。1つは「共感(あるある)」、もう1つは「極端な問題解決」。つまり、皆さんが心のどこかで感じている小さなモヤモヤ―例えば「割り箸って、なんできれいに割れないんだろう?」みたいな、「日常のあるある」を出発点にします。そして、それに対して「あえてそこまでやる!?」というくらい、技術や時間をかけて解決しにいくことで、唯一無二の世界観や面白さが表現できるのではないかと考えています。
発明家になった理由
私の活動の原点には、電気工事士だった父親の影響があります。ものづくりや機械いじりに幼い時から親しみ、よく家電製品を分解しては元に戻せなくなっていました。
そしてもう1つ、私には「仕掛けを作る」ことへの執着があります。小さい頃から人を驚かせることが好きでした。例えば手品をよくやっていたのですが、驚きのために裏から手を回し、誰にも見えない部分で準備をするという感覚が好きだったのです。これは私の発明における「極端な問題解決」につながります。日常の問題を遠回しに無理矢理解決する…みたいな思考実験をずっと楽しんでいました。
具体的にこれが表現に結びついたのは会社員になってからです。技術系の会社だったのですが、職場にアーティストが多いという変わった環境もあり、少しずつ自分が製作した物をインターネット上で発表するようになります。
「ギリギリ」が人の気持ちを動かす
ところで、私の発明はいつも「本気で取り組んでいるのに、なぜか(完成度が)ギリギリになってしまう」という特徴があります。これは技術不足だったり、時間的な制約から生まれるものですが、私はそれを悪いこととは考えていません。
未知のことには不確定さがつきものです。これは、すぐ・簡単に物が手に入るようになった現代で少し忘れられている感覚かもしれません。
この部分に私は大きな楽しさを感じています。実現が難しそうでも、遊び心は忘れず、「極端な問題解決」を使って解決する。そこで生まれる「ギリギリ」こそが、人の気持ちを動かす余地になるのではないかと思っています。
解決方法を考える楽しさを伝えたい
たまに、「どうしてそんな面倒なことをあえてやっているの?」と聞かれるのですが、私にとっては体に合っているのです。つまり何の苦もなく続けられます。楽しいからこそ本気で取り組むのです。
題材が「日常のあるある」なので皆さんに受け入れてもらいやすいというのはあるのですが、実はその先、「解決方法を考える楽しさ」を感じてもらいたい。この部分を伝える活動なのかもしれません。
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