諦めるのはもったいない!〜豚革の魅力発信を続ける理由〜
- 児嶋 真人 さん/豚革プロデューサー
- 茨城県出身。元プロキックボクサー。引退後の2021年、「命を大切にいただく」をコンセプトに、ピッグレザー(豚革)を広める活動をする「pigup(ピガップ)」を設立。豚革の魅力を伝えるためのクラウドファンディングで2021、22、23年目標金額達成。国産豚革ブランドSai及びピッグレザー&カフェSai店舗運営。キックボクシングレフェリーとしても活動中。
https://www.pigup2021.com
そもそも豚革ってなに?
豚革は、食肉の副産物を有効活用したもの。日本で育った、豚肉になる豚さんの皮を捨てずに大切に使った物です。海外では皮も食べるので、日本の豚革は世界で重宝されています。
豚革の現状
日本で豚肉になる豚さんは月に120万〜130万頭。その中の90万頭以上(全体の80%近く)の豚さんの皮が海外へ輸出されています。
元々は日本で使われていて、革靴の内側やランドセルの内側、洋服などで使用されていました。
しかし、合皮などの素材の選択肢が増えたことや製品を安価に作る流れから豚革の使用頻度は激減しました。豚さんはヤンチャで、生きている時に付けた傷やシワなどが革に残るのも豚革を使わなくなる要因でした。
豚革の可能性
先ほどお話した傷やシワですが、合成の素材にはない、本革ならではの個性です。一点一点違う表情は愛着を生んでくれます。そんな個性を丁寧に伝えていけば、分かってくれるお客さまがほとんどでした。傷やシワが、製品を作る時についてしまったB級品だという間違った情報から避けられてきたのです。ちゃんと伝えたことでデメリットがメリットに変わりました。
そして、天然素材ならではの優しい肌触り。特に豚さんの肌は、人肌に近いので触り心地も抜群です。さらには、軽くて柔らかく、日常使いのしやすさも好評です。
革小物を新しい層へ
革小物といえば茶色や黒のイメージの方が多いのではないでしょうか。硬くてしっかりした物をイメージされる方も多いと思います。
そんな革が好きな方ではなく、革小物をあまり積極的に使わなかった方に楽しんでもらおうと考えました。まずは色味をパステルカラーで明るく、そして柔らかく軽い仕上がりに。そうしたことで、革小物が苦手だった人へ届けることができました。
本革への誤解
本革と聞くと、革のために動物を殺してかわいそうと思われることが多いです。
しかし、豚革は100%食肉の副産物を使っています。豚肉を食べた時に出る皮を有効活用しているのです。そのことを説明すると見る目が変わり、気に入ってくださる方も多いです。
今回お話した通り、豚革には誤解が多いです。日本で数少ない自給自足できる素材であり、素材としても魅力があるのに、知名度が低いのが現状です。ちゃんと伝えれば良さが伝わる素材なので、これからも豚革の良さを発信し続けます。
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