オカルトよりも怖いこと
- 角 由紀子さん/オカルト編集者
- オカルトメディア『TOCANA』元編集長。現在はフリー編集者。レギュラーTV番組『超ムーの世界R』『すみっこオカルト研究所』、ラジオ『角由紀子の明日滅亡するラジオ』等。映画『三茶のポルターガイスト』企画・出演。自身のYouTube番組『角由紀子のヤバイ帝国』も更新中!
私は2社の出版社を渡り歩いた後、約9年間オカルト系ウェブサイトの編集長を務め、計15年間近く編集者として会社員を務めてきた。そして、昨年独立。
オカルトの仕事が多いので「角さんって怖いものとかなさそうですよね」とよく言われるのだが、独立後に怖いことが起きた。自分が“完全なる怠け者”になったのである。独立当初は二刀流どころか“執筆・映像・作品制作”の3本の矢も計画していたのに、なにひとつ手につかない。「明日は頑張ろう」とか「スイッチが入れば働くタイプだから」とか、言い訳をしていたのだが、スイッチが入らないどころか、入りそうになっても自ら切るクセがついてしまった。
思えば、大学時代も怠けて学校に行かなくなり、結局中退している。中学や高校もあと1日で進級できないギリギリまで休んでいた。15年間も真面目に会社員ができていたのだから、もうサボりグセは治ったと自分では思っていたのだが、組織や環境のおかげで規律を維持できていただけで、本質的には変わっていなかったのだった。
実は12年ほど前、その場の流れで受けたタロット占いで「あなたは会社に尽くさないとダメになるタイプ。最低でも40過ぎまでは務めなさい。辞めたらその後の運気は下がる」と告げられ、それがずっと頭に引っかかっていた。「あの言葉が呪いになっている」と思った私はその占い師を探して「君の運命は変わった」と言わせようとしたが、見つからない。仕方なく、違うタロット占い師に未来を見てもらったりしたが、やはり“あの占い師”に言われないと、どこか物足りないのだった。
結局、自分を鍛え直す目的もあって、ペルーで特殊な薬草の儀式を受ける旅に2週間出ることにした。人生観が変わるレベルのデトックスができると聞いたからだ。すると、儀式どころかペルーに着いた瞬間からあれだけ苦手だった早起きができるようになってしまった。さらに儀式を受けると、あらゆる呪いからの解放と毒出しの真髄に触れ、東京に帰ってからもピカピカのメンタルを保って理想的な生活が続いた。…のだが、絶好調が続いたのは1週間でまた元の生活に戻りつつあったのである。
なぜ、ペルーでは元気が出て、自宅だとダメなのかを考えた。答えは空間不足。つまり掃除だった。片付けが苦手な私は実家にいた頃から部屋の床面積が極端に狭かったのだ。それに気がつき、掃除をして部屋の床面積を約2倍に広げた。そしてもう一つ、「寝る3時間前は食べない」を実践した。ペルーの生活では部族の慣わしで夕飯を食べなかったからだ。すると信じられない変化が起きた。朝も起きられるしパソコンに向かう気力も自然と出るようになったのだ。これがいつまで続くかわからないが、2カ月以上は好調が続いている。部屋などの空間と仕事運は確実にリンクしていると再認識したのだった。
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