区分所有法では、管理組合の役員資格等に関する規定はありません。したがって管理組合の役員の資格・選任方法・任期等に関する定めは、各マンションの管理規約により任意で定めることとなります。
ただし、定めた内容が一部の組合員に対して極めて有利または不利なもので、適正さや公平性を著しく欠くような規定は、「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする」(民法第90条)との規定に照らして、法的に無効とされるおそれがあります。
本問のように、管理費を滞納した組合員が役員に就任することができなくなる旨の定めを設けることは、組合員の権利の一部を制限することになります。管理費を1カ月滞納した場合に、役員就任資格を剥奪することは行きすぎた運用であるといわざるを得ませんし、一方、役員就任中に1カ月滞納した場合には、役員就任資格がなくなりかねず、新たな役員を選任する必要も生じて、管理組合の業務にも多大な影響を及ぼすことも予測されます。
組合総会において、長期間管理費を滞納されている組合員が役員に選任されるようなことは一般的には考えられませんし、このような定めを設けると、役員選任を巡って法的紛争を生じかねませんので、管理組合の運営上重大な支障が生じるなどの特別な事情がない限り、このような規定を設けることは適正でないでしょう。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2013年2月掲載