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管理に関するFAQ


長年黙認していたバルコニーの工作物の撤去を請求することができるのか

当マンションは管理規約によりバルコニーに工作物を設置することは禁止されていますが、入居以来ずっとバルコニーに温室状の工作物を設置している区分所有者がいます。理事会決議を経て、理事長が当該区分所有者に工作物の撤去(原状回復)を請求したところ、長年黙認されていたのに今さら撤去を求めるのはおかしいとの反論がありました。
 長年にわたり黙認されていた場合でも、管理組合は工作物の撤去(原状回復)を請求することができるのでしょうか。
 なお、当マンションの管理規約は標準管理規約に準じています。

 標準管理規約第67条は、「区分所有者若しくはその同居人又は専有部分の貸与を受けた者若しくはその同居人(以下「区分所有者等」という)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。」と規定しています。
 それゆえ、バルコニー(共用部分)に工作物を設置する行為は、共用部分の所有権を妨害する行為として規約違反行為に該当し、理事長は当該区分所有者に対し、理事会決議を経て、その工作物の撤去を勧告することが適正な措置です。
 この点、所有権に基づく妨害排除請求(本問のバルコニーの工作物の撤去)は、所有権に基づく引渡請求権などと同様の物権的請求権の一つとされ、古い判例(大審院大正5年6月23日)ではありますが、「その所有権の作用であってこれから発生する独立の権利でないから、所有権自体と同じく消滅時効によって消滅することはない」と判示しています。
 そのため、過去に管理組合が明確な是正措置を取っていなかったとしても、「長年黙認されていた」という事実を理由に、撤去請求が否定されることがありません。
 したがって、本問において、理事長が理事会決議を経た上で規約違反状態の是正として工作物の撤去(妨害排除)を求める管理組合の対応は、法的にも規約上も適法、適正的な措置といえます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

2026年2月掲載

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