最近、受水槽を撤去して給水を直結増圧方式に切り替えるマンションが増えていますが、どのような工事が必要なのでしょうか。またどんなメリットがあるのでしょう。
受水槽や高架水槽を利用した給水方式(以下、「受水槽方式」という)から直結増圧方式へ変換する工事についてですが、10階建て以下で、おおむね50戸程度のマンションまでであれば可能です。この階数と戸数の基準については各自治体によって異なりますのでそれぞれの水道局などに問い合わせて確認する必要があります。受水槽や高架水槽を撤去し増圧ポンプを取り付けることに加え、水道の引き込み管を増圧ポンプの水圧に耐えられるものにするため、配管の拡張工事が必要になる場合があります。
直結増圧方式のメリット、デメリットをまとめると以下のようになります。
メリット
(1)受水槽を撤去したスペースを、駐輪場や駐車場の増設に利用できます。
(2)受水槽方式で必要であった年1回水質保持のための水質検査と水槽内の清掃業務が不要となります。
(3)受水槽や高架水槽はFRP塗装などの定期的なメンテナンスが必要となりますが、これも不要となります。
デメリット
(4)受水槽方式は断水時にも受水槽や高架水槽に溜まっている水を利用できる貯留機能があるのに対し、直結増圧方式には貯留機能がなく、停電時、断水時にはすぐに断水してしまう。
(5)上記導入時の工事の費用が必要
また高架水槽のみを残し既設の配管を利用する給水方式もあり、この場合工事費は抑えられますが、高架水槽について上記の水槽内の清掃等や定期的なメンテナンスはしなくてはなりませんが、受水槽のメンテナンスについては不要となります。
以上のように直結増圧方式の工事はメリットとデメリットがありますが、長期的にみると経済的なメリットがあると考えられます。
2004年8月掲載
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