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素敵なマンションライフのために

編集部からのご回答


前期の総会での決定事項について

ウェンディ第267号『マンション法研究会報告Q&A』のコーナーで、「昨年度の総会で決議された大規模修繕工事を本年度の理事長が工事を発注せず、保留にしている」ことについて、「理事長が個人的な考えで、総会決議された大規模修繕工事を実施しないという行為は、理事長として義務に違反する」とありました。前期の総会での決議事項を実行する義務は、今期の理事長にあるのでしょうか。

マンション管理組合の運営は、組合員による総会決議に基づいて実施されるものであり、理事長は、総会決議を誠実に履行する義務があります。
  本設問では、前期の理事長時代に大規模修繕を必要とする組合員の意向が決議されましたが、理事長の交代により、その決議が法的に無効になることはありません。交代によって新たに就任した理事長に、前任の理事長時代の総会決議の効力がないことになれば、管理組合の運営に差し支えが生じます。
  ただし、従前の総会決議が不合理・不適正であると思われる根拠があれば、新理事長が新たに総会を開催し、従前の総会決議を変更する(工事時期を延長する)議案を提案し、組合員の意向を問うことは可能と考えられます。その場合には、客観的な資料が必要です(例えば、外壁が崩落する危険があると説明されていた事実が、新たに調査をすると5年以上は崩落の可能性がない、など)。
  以上のことから、新理事長が客観的な理由を示さず、(個人的な考えで)総会決議を履行しないことは、新理事長の善管注意義務に反するといわざるを得ません。また、理事長が交代したことを根拠に、従前の総会決議を履行しないことも善管注意義務に反するといわざるを得ません。

2012年1月掲載

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