マンション標準管理規約第48条第16号によれば、総会の普通決議事項として、「組合管理部分に関する管理業務委託契約の締結」という事項が規定されています。
管理組合の契約などの行為は、団体としての契約を有し、理事長がその代表者として行為することになるので、理事長の契約締結が管理規約に反していても、このことを知らずに契約を締結した管理会社Bとの契約は有効に成立することになります。なお、管理規約に違反していることを知っていた場合は、管理組合は管理会社Bに対し、契約の無効を主張できるでしょう。また、管理会社Bが理事長の親戚が経営する会社であるからといって、道義的に問題があるとしても、そのことだけでは契約が無効であると主張するには充分でないように考えられます。そうすると、管理会社Aは、総会で委託契約を解除する旨の決議がないことから、契約解除に応じないという事態が発生し、その結果、管理組合は管理業務委託料を管理会社A及び管理会社Bから請求を受け、あるいは、その後、総会を開催して管理会社を選定する決議をしても、一方の管理会社から損害賠償を請求される事態も生じます。なお、理事長に法的責任があるということはいうまでもありません。
管理組合の運営に関しては、役員の不適正な行為により、思わぬ紛争が生じることがありますので、区分所有者全員がその運営に関心を持ち、お互いの意識を高めていくことが重要です。なお、役員の不注意による無用な混乱を避けるために、委託契約書に、