マンション敷地内へのバイク放置は、美観を損ねるだけでなく、場合によっては住民生活に危険を及ぼすこともあり、可能な限り早急に対処したいものです。
しかしながら、本問のように、掲示板やバイクに貼り紙をしても所有者が名乗り出ないからといって、放置バイクの処分を安易に行ってしまうと、後になってバイクの所有者から損害賠償等を請求される場合もあります。そのようなトラブルを未然に防ぐためには、おおむね次の手順で対応するのが良いでしょう。
まずは警察等に問い合わせをし、所有者の特定に努めてください。警察等に問い合わせをした場合、放置バイクのナンバープレート等から所有者が特定できることがあります。放置バイクの所有者が特定できた場合と特定できなかった場合とで対応法が異なります。
【①放置バイクの所有者が特定できた場合】
警察より所有者に連絡をとり、放置バイクの撤去・移動を指導することで、問題が解決する場合があります。
所有者が判明したにも関わらず放置バイクを引き取りに来ない場合や、所有者と連絡がつかない場合には、訴訟にて「妨害排除請求」および「損害賠償請求」を行うことも可能となります。また、盗難届が出されていたり犯罪等に関与していた場合などは、警察が引き取り保管する場合もあるようです。
【②放置バイクの所有者が特定できなかった場合】
警察等に問い合わせをしても所有者が判明しない場合は、マンション掲示板や放置バイクの車両本体等への貼り紙により、放置バイクの所有者に対して移動、撤去を求め、応じない場合には管理組合にて撤去、廃棄処分をする旨を通告します。
以上のことを行った上で、貼り紙を掲示後、一定期間(おおむね3週間から1カ月程度)を経過しても所有者が現れない場合には、当該放置バイクは所有者が放棄した物権とみなされ、民法第239条に基づきマンション敷地の所有者である管理組合が放置バイクの所有権を取得することになり、管理組合により撤去や廃棄処分をすることも可能となります。
(参考)民法第239条 無主物の帰属‥所有者のない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2012年11月掲載