この度のケースを、表にすると、下表のとおりとなります。

まず、民法によると費用・利息が発生している場合は、費用・利息・元金の間の充当方法(民法第489条1項)によれば、まず費用(例えば、売買契約費用・競売費用・執行費用等の訴訟費用など)、ついで利息、そして残額を元金に充当するべきとされています。なお、ここでいう「利息」には、遅延損害金も含まれます。費用は発生していないとすると、まず遅延損害金、次に元金に充当するということです。元金の充当については、民法によると、当事者の一方(第1次に弁済者(組合員)、第2次に弁済受領者(管理組合))が充当方法を指定していれば、指定弁済充当(民法第488条)によります。当事者のいずれからも指定がない場合は、法定弁済充当(民法第488条第4項)となります。指定弁済充当とは、例えば弁済者が「入金をした場合は支払期限の新しい元金から充当すること」と指定した場合、まず、「番号1、2、・・5」の遅延損害金3335円に充当し、次に支払期限が最も新しい「番号5(20000円)」の元金に充当し、次に新しい「番号4(20000円)」の元金の一部に残金6665円を充当することとなります。そうすると、「番号4」の元金20000円は、13335円となり、「番号3、2、1」の元金はそのまま残ります。
法定弁済充当については、債務者にとって弁済の利益が多いものから充当する(民法第488条第4項)ことと定めてあり、債権が複数ある場合(本件の場合、「番号1~5」、計5個の債権)については、確定期限の有無・利息の有無・利率の高低などが充当の優先基準となります。本件ではそれらの基準において、債務者の利益が各同一ですから、このような場合は、支払期限の古いものから充当する(民法第488条第4項)とされています。
よって、「番号1、2、・・5」の遅延損害金3335円に充当し、そして支払期限が最も古い「番号1(20000円)」の元金に充当し、次に古い「番号2」の元金に残金6665円を充当することとなります。そうすると、「番号2」の元金は13335円となり、「番号3、4、5」の元金はそのまま残ります。
なお、このような弁済充当をした場合には、必ず滞納者に書面で残管理費の額を通知しておきましょう。滞納者に思い違いがあると、後に紛争のもととなるからです。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2004年2月掲載(2025年2月更新)