調停とは、私人間の紛争解決のために、簡易裁判所に申立をし、調停委員の仲介のもとで、当事者間に解決のための合意を成立させる裁判手続の一つです。合意が成立するためには、当事者双方が調停の場に出頭することが必要です。
合意が成立した場合には、調停調書が作成され、確定判決と同様に調停調書が執行力(合意した内容を強制的に実現すること)を有することになり、比較的少額な事件の紛争解決には最適な方法といえます。
調停手続は、訴訟とは異なり、厳格な手続が求められることはなく、簡単な様式の書面を提出して、手続が開始されます。それゆえ、弁護士に依頼する必要もありませんし、非公開のため、当事者が忌憚のない意見を述べ、歩み寄って解決することになりますので、意外と早く紛争が解決することもあります。非公開とする趣旨は、お互いが忌憚のない意見を交換し合い、最適な紛争の解決策を模索するために、非公開の方が最適と考えられたからです。
本問のケースでは、調停における申立人は管理組合であり、理事長個人ではありません。理事長は、管理組合の代表者として、調停の場に出席し、管理組合の意向を述べるにすぎず、管理組合の構成員である区分所有者に対しては、総会における管理未収金の報告の際に、氏名を明らかにしないで、調停の結果(支払金額、支払方法など)を報告すれば良いでしょう。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2002年1月掲載