小さなキャップがくれた、大きな出会い ~暮らしが豊かになるアップサイクルを目指して~

- CAP AKIRA TOKYO さん/キャップアーティスト
- 大学で国際関係学を学び、貧困問題や教育問題を中心に研究。SDGs系ベンチャー企業での社会人インターンで参加したクリーン活動で、ペットボトルキャップのカラフルで可能性あふれる素材に魅了され、アップサイクルアートの制作を開始。毎月、キャップを使ったアップサイクルワークショップを開催し、ものづくりの楽しさとアップサイクルの魅力を広く発信している。
https://capakrtokyo.buyshop.jp
趣味から活動へ
私がペットボトルのキャップに心を引かれたのは、町のごみ拾いをしていた時でした。
ふと足元にころんと落ちている、鮮やかな色のキャップ。「なんかかわいいな」「これ、何かつくれそう」と、気づけば集めるのが楽しみになっていました。
最初はちょっとした色集めの趣味。でも、少しずつ“ものづくり”に変わっていき、今の活動につながっています。
なぜキャップを選んだのか
キャップを選んだ理由はいくつかあります。
一つ目は、とても身近な素材だということ。どの家にもあって、どの地域にもあって、でも色や形は本当にさまざま。集めれば集めるほど「宝物みたいだな」と感じます。
二つ目は、もう一度命を吹き込める素材だということ。キャップは溶かして形を変えられるので、「捨てられるもの」から「使えるもの」へ生まれ変わらせることができます。
三つ目は、人をつないでくれる力があること。ワークショップを開くと、初めましての人同士が作品を見合って笑ったり、教え合ったり、気づけば小さな“輪”ができている。その空気を感じるたびに、この素材のあたたかさを実感します。子どもたちの「できた!」という笑顔、企業さんとのコラボのチャンス、SNSを通じて届く応援のメッセージ。小さなキャップが連れてきてくれたつながりは、どれも大切な宝物です。
アップサイクルを楽しんでほしい
もちろん、大変なこともあります。色をより分ける作業や、アイロンで溶かす細かい作業、時間のやりくり、そして活動を続けるための発信。「環境のためにやっている」だけではなく、「楽しさ」もしっかり伝えたい。そのバランスを取るのに悩んだ時期もありました。
それでも続けたいと思えるのは、アップサイクルが義務ではなく、楽しみになる瞬間がたくさんあるからです。色を選ぶワクワク、形ができていくドキドキ、完成した時のちょっと誇らしい気持ち。
だからこそ、これからは、もっと「人のクリエーティブな視点」が生きるアップサイクルを広げていきたいと考えています。
キャップは、ひらめき一つでまったく違う表情を見せてくれる素材です。「こうしたらかわいいかも?」という直感が、そのまま作品の魅力になる。専門知識がなくても、自分の手で新しい価値をつくれる体験を、もっと多くの人に届けたいと思っています。
日常から面白さを見つけてみる
また、インスタグラムや本を通じて発信したキャップアートをきっかけに、いつもの日常が少しだけ面白くなるような視点を届けたいです。
例えば、道端に落ちている小さなごみに目を留め、自分なりの価値を見つけること。ほんの少しの好奇心とクリエーティビティが、驚くほど面白い世界を開き、暮らしをちょっと豊かにしてくれると信じています。
ウェンディの読者でこの文章を読んでくださった方が、「あ、私も拾ってみよう」「何かつくってみよう」と思ってもらえたらうれしいです。
マンションという日常の中でも、小さな循環とつながりを育むきっかけになれば、幸いです。
(無断転載禁ず)
