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2024年4月掲載

野菜好きを幸せで満たす 

白戸 啓子/野菜と太陽 代表

白戸 啓子/野菜と太陽 代表
2005年より「野菜の食卓」主宰。東北地方や山間部に伝わる地域の料理や暮らしの知恵を現代に生かす活動を続ける。新聞で作る野菜のおすそ分け用の丈夫でアーティスティックなエコバッグを開発し、『新聞で作るナチュラルエコバッグ』(自由国民社)を上梓。20年、埼玉県ときがわ町の山間部に移住。キッチンから山々を望みながら、地元の採れたて野菜と向き合う生活をスタート。
https://vegefull.com

野菜の食卓誕生

2005年に野菜と関わる仕事がしたいと半ば確信的にレールのポイントを大きく切り替え、それまで20年以上続けたアパレルの流通の仕事を辞めました。私の「好きを仕事に」の始まりでした。

野菜と関わりたいとの思いだけで野菜の写真を撮り、野菜の旬に関する本を読んでは料理を作っていました。間もなく、NPO法人「野菜と文化のフォーラム」のことを知り入会。“野菜と文化”という言葉に、野菜の裏側にある地域の物語に引かれました。会員は流通や行政、ジャーナリスト、料理研究家、園芸家などマニアのような人たちで、この会の主催する勉強会で野菜の知識や食べ方を学ぶことになりました。3年後にその仲間に誘われ「野菜の学校」のスタート時のスタッフとして、その後は各地に残る伝統野菜を学ぶ「伝統野菜プロジェクト」の一員として現在に至ります。

仕事は「野菜の食卓」として日常に野菜を取り込むことを目的にした、野菜に特化した料理サロンを運営する形で始まりました。活動はその枠にとどまらず、故郷津軽(青森県)の山菜などの伝統料理の紹介や農家さんとの交流に広がりました。

2020年、都心から車で約90分の関東平野のはずれにある埼玉県ときがわ町に移住。コロナ禍の自粛期間と重なり、山間に建つ築60年の平屋の家の環境づくりに没頭、四季折々に巡る採りたて野菜と向き合い、調理、試食、保存を試す濃厚な時間を過ごしました。土地や風土に根づいた多くの気づきもありました。

新聞でぬくもりエコバッグを作る

新聞のエコバッグとの関わりは、友人から小さな紙のバッグに入ったミカンを頂いたことがきっかけです。よく見るとバッグは新聞で折られていて、コミュニケーションツールとして圧倒的な存在感を放っていました。野菜を入れても形の崩れない籠のようなバッグを新聞で作っておすそ分けができたらと、丈夫なバッグ作りに取り組み始めることに。このバッグに野菜を入れてマルシェを開催、作り方の講習も頼まれるようになりました。

2012年暮れに12カ月の旬の野菜を入れた12種類のバッグの作り方の本『新聞で作るナチュラルエコバッグ』を出してからは都内で定期のワークショップをスタート。メディアでも紹介され、自治体や企業の社会活動としての講師を依頼されるようになりました。近年は、より新聞の絵柄を生かしたアート的な作品作りへと広がっています。

里山の縁側から

世の中が落ち着き、地元ときがわの「野菜の食卓」も本格始動です。

10年後も縁側から山々を眺め、自然のエネルギーを頂きながら野菜に触って、切ったり、煮たり、混ぜたりの癒やしの時間を楽しみ、テーブルに広がる野菜の食卓のゴールを目指して、みんなで作り味わう幸せを共有していたいと思います。

  • 山椒を使った料理

    山椒を使った料理

  • かぶとスモークサーモンのマリネ

    かぶとスモークサーモンのマリネ

  • ときがわの春の里山風景

    ときがわの春の里山風景

  • 旬の野菜が並ぶ食卓

    旬の野菜が並ぶ食卓

  • 新聞で作るぬくもりエコバッグ

    新聞で作るぬくもりエコバッグ

(無断転載禁ず)

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