まず、分譲業者が駐車場の専用使用権を一部の区分所有者にのみ分譲するということは有効であるかということを考えてみます。駐車場の専用使用権を購入した人は、分譲業者より永久に駐車場を使用できる前提で、マンションの代金とは別に駐車場使用権の代金を支払っているわけですから、専用使用権を取り上げられたり、無償であったものを有償とされることは納得できないと考えられます。また、他の区分所有者も規約を設定するにあたり、この規約を承認しているわけですから、駐車場の使用権は有効に成立していると考えられます。
一方、専用使用権のある駐車場とはいえ、その敷地は組合員全員の共有ですから、本来、各共有者がその持分に応じて駐車場全部の利用をなしうるものであり(民法第249条)、また、その駐車場部分にかかる固定資産税や清掃、照明電気代などの管理費用を区分所有者全員で負担しているという不公平が生じているという意見もあるでしょう。
当該駐車場を他の組合員も使用する必要性の程度、固定資産税額などの公租公課の多寡、維持管理費用の負担額・期間、分譲駐車場の価格などを総合的に比較均衡して話し合うことも1つの考え方ですが、組合員の合意を得ることは困難と思われます。
そこで、管理組合が当該専用使用権を有する組合員に対して、その権利を相当額で買い取るなり、応分の管理費用の負担を求めるといったことも、解決方法の1つであると思います。
なお、仮に裁判に訴えても、当該組合員が不相当な価格や不当な方法で当核使用権を取得しているのでない限り、当該使用権の設定を是認される公算が大きいと思われます。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1999年9月掲載