管理費等(管理費、修繕積立金など)の支払い義務を負う者は区分所有者であり、賃借人等の占有者が管理組合に対して管理費等の支払い義務を負うのではありません。賃借人等の占有者が管理組合に管理費等を支払ってくる場合がありますが、これは区分所有者と立替払いの委託契約をしているからで、このことによって区分所有者が管理費等の支払い義務を免れるものではありません。
本問は、ここでいう水道料金がこの管理費に含まれるかという問題です。
ところで、問題のマンションの水道料金は、管理組合が親メーターを設置し、水道料金を一括して水道局に支払い、管理組合は各戸の子メーターを検針し、水道局の料金形態に準じて各所有者に請求する場合のことです。このことは管理規約の定めまたは総会の決議、もしくは購入時の容認事項として定められている場合がほとんどです。管理費等の支払いについては、区分所有者の義務であることはいうまでもありません。
本問では、滞納が始まるまでは占有者が水道料金を支払っていましたが、これは所有者の管理費等を立替えて支払うという契約により、管理組合は便宜上、占有者に対して水道料金を請求していただけあって、本来の支払い義務は区分所有者にあります。そのため、「自分が使用したわけではない」、「占有者の水道の使用量が多い」等、いかなる理由であっても責任を回避することはできません。
請求先を占有者に変更するときに、所有者より「私が第1位の支払い義務者であり、万一当該区分の水道料金等が滞納された場合、全額なんら異議を挟むことなくただちに納付します。」と書かれた誓約書を管理組合に提出してもらうようにしておけば、誤解によるトラブルを防ぐことができます。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2005年7月掲載