管理規約に基づき、総会を開催し、各議案を審議しました。しかし、総会後、一区分所有者より同総会にて決議された議案について、本人が都合で出席できなかったので納得できないとの理由で、理事会へ再審議の請求がなされました。理事会としては、管理規約に基づき正式な手続を経て行った総会で承認されたことを理由に、再審議の請求を退けました。この理事会の判断は適切でしょうか。
総会で議案が議決されるというためには、総会が適法な手続きで開催されること、その総会で議案が有効に議決されることが必要です。
そこで、総会の開催手続きが適正でない場合(一部の区分所有者に対し、総会開催の通知をしてない場合など)や議案が提案されてない場合や議決されてない場合などは、総会で議案が議決されたとはいえませんので、適法な手続きで再度総会を開催し議案を議決する必要があります。
本問は、適法な手続きで総会が開催され、議案が議決された事項について、総会に出席しなかった1人の区分所有者が、議決された事項に納得できないから、再度総会での審議を求めた設問と考えられ、総会の議決手続きに何ら違法性がないので、区分所有者の意見を入れて、総会で再審議する必要はありません。
また、会議を運営する原則のひとつに、一度審議・議決した事項については、原則として再審議しないという「一事不再議」という原則があります。
その理由は、一度議決しているのに、何度も議決をやりなおすことが許されれば、いつまでたっても議案の結論が確定できないからです。
しかし、一度議決した場合でも、その事情が異なってきた場合には、再度審議をする必要のある場合もあります。例えば、1000万円で補修工事を実施するという議案を議決したが、補修工事が3000万円かかることになった場合などは、同じ議案でも、再度審議する必要があるといえるでしょう。
ところで、本問では、1人の区分所有者が総会に出席しなかったということですが、通常は再審議する事情の変更にはなりませんので、再審議に応じる必要はありません。
それゆえ、理事会が再審議の請求を退けたのは、適切といえます。
しかし、決議した事項が重要な事項(例えば、マンションの建替えの決議)で、1人の区分所有者が反対の意思を表示すれば、議案が否決されたような場合で、同人が総会に欠席したこと、あるいは、書面決議を行使できなかったことに合理的な理由がある場合には、決議された事項をスムーズに処理する上でも、慎重な審議が求められ、その場合でも、理事会は一区分所有者の再審議の求めに応じることはできませんが、区分所有法により区分所有者及び議決権の5分の1以上の区分所有者による臨時総会の開催を求めることは可能ですので、このような請求があった場合には、臨時総会を開催して、再審議する必要もあるといえるでしょう。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2002年10月掲載
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