2016年3月に改正された標準管理規約の役員に関する条文として「利益相反取引の防止」(第37条の2)が追加されています。どのような趣旨で定められたものなのでしょうか。
役員は、マンションの資産価値の保全に努めなければならず、管理組合の利益を犠牲にして自己または第三者の利益を図ることがあってはいけません。
この条文は、役員が直接または間接的に管理組合と取引を行おうとする場合には、理事会で当該取引につき重要な事実を開示し、承認を受けなければならないことを定めたものです。
また、標準管理規約では、理事会の決議に特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない(第53条第3項)ことを定めるとともに、管理組合と理事長との利益が相反する事項については、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する(第38条第6項)ことも定めています。
標準管理規約でこれらのことが定められた趣旨は、管理組合の取引先として自身の所属会社や知り合いの会社を選定し、自己のために利益誘導をしようとする事例が後を絶たないため、これを抑止するためです。
役員はもちろん、組合員も管理組合の取引先の選定にあたって自身に近い業者等を推薦することは、図らずとも前記のような疑念を抱かれることになりますので、厳に慎むべきです。また、万が一管理組合内でそのような疑念がある行為がみられた場合には、他の役員または組合員は毅然としてこれを制止するべきでしょう。
【参考】
(利益相反取引の防止)
第37条の2 役員は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
1 役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき。
2 管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2016年11月掲載Wendyは分譲マンションを対象としたフリーペーパー(無料紙)です。
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