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事前に通知していない議題も決議できるのか

私が議長を務めた総会で、ある区分所有者から緊急動議の提案がありました。総会はあらかじめ通知した事項しか決議できないことを理由に却下したところ、「この総会には委任状を含め全区分所有者が出席している。全員が出席する総会では、事前通知以外の議題も決議できるはずだ」と言われました。本当にそうなのでしょうか。

区分所有法第37条第1項には「集会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができる」とあり、緊急動議などによる、あらかじめ通知していない議題を決議することはできません。
 しかしながら、区分所有法第36条には「集会は、区分所有者全員の同意があるときは、招集の手続きを経ないで開くことができる」とあり、また第37条第3項には「前2項の規定は第36条の規定による集会には適用しない」とあります。すなわち、区分所有者全員の同意があれば、いつでも集会を開くことができ、その集会ではあらかじめ通知していない議題も決議できることになります。
 したがって、総会に全区分所有者が出席しており、全員の同意がその場で得られれば、事前通知以外の決議をすることも可能です。しかし、総会の出席者が区分所有者ではなく、委任状による代理人などが含まれる場合は、必ずしも「全区分所有者が出席している」といえません。
 なぜなら、代理人に委任した区分所有者は、あらかじめ通知された議題に関する議決権を行使することを委任しているのであって、それ以外の議題に関する議決権行使まで委任していると考えられないからです。
 ご質問の緊急動議の内容が、あらかじめ通知された議題と趣旨が同じで、部分的な語句の修正などの場合は、もともとの委任の内容に含まれていると考えられますので、決議することに差しつかえはありませんが、通知された事項と趣旨の異なる議題である場合には、決議することはできないといえます。

編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士

2008年4月掲載

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