Ms Wendy

2022年2月掲載

デザイナー森英恵の孫に生まれ モデル、タレントとして活躍

森 泉さん/モデル・タレント

森 泉さん/モデル・タレント
1982年東京生まれ。父方の祖母は世界的ファッションデザイナーの森英恵。5人きょうだいの3番目で長女。慶應義塾中等部卒業後米国の私立高校へ留学。19歳でモデルデビュー、パリコレに出演。21歳で『おしゃれイズム』アシスタントに抜擢されタレント活動を開始。現在3歳女児の子育て中。2017年ジャパンペットアワードを受賞。また、DIYの達人としても知られる。
やんちゃでわんぱく

小さいころはかなりわんぱくな子でした。きょうだい5人、お兄ちゃんたちはケンカが絶えないし、妹は2段ベッドから落ちて頭を骨折。私といえば、ブランコに乗っていたときに顔から落ちて、アゴを何針も縫ったことがあります。

母にとって私は3人目でやっと授かった女の子。フリフリのかわいいドレスを着せたかったのに、私はお兄ちゃんたちと同じがよかった。ボーイッシュな服が着たくて「ズボンがいい!」と、母とよくケンカしていたのを覚えています。

父はものすごい亭主関白な人で、子どものころは怖い存在でした。父は自分のことを「サムライ」だと思っていて(笑)、居合とか流鏑馬(やぶさめ)をやったりして、生まれる時代を間違えたような人です。

「義務教育は日本で、高校からは自由に、海外で勉強してもよい」が父の教育方針でした。私が留学したのはニューヨークから車で4〜5時間のところにある、カナダに近いバーモント州の寄宿制の高校。「自分たちの学校は自分たちで直す、食べものは自分たちで収穫」というユニークな教育方針の学校でした。生徒たちは見よう見まねで壊れたフェンスを修繕したりペンキを塗ったり。朝6時から学校の牧場で牛の乳搾りもありました。本当にいろいろな人が集まっていて、面白い学校でした。

モデルデビューとパリコレの思い出

高校卒業後はやりたいことが見つからず、ひとまず日本に帰ってきました。ママモリ(祖母の森英恵さん=森家のママ)の勧めでドレスメーカー学院へ入学。もともと洋服は好きでしたし、ミシンで平面から立体を作ることはすごく楽しくて、良い思い出です。

その2年目のとき、たまたま乗っていたバスの中でモデル事務所の方にスカウトされました。まだ10代でしたから、「ちょっとやってみようかな」というアルバイト感覚でしたね。すぐに雑誌『CanCam(キャンキャン)』のお仕事をするようになりました。メイクもファッションも会う人も毎日変わって、新しい自分を発見できるのがとても新鮮でした。

朝もすごく早くて、午前3時起きとかザラにありますし、「今日は1日100カット!」なんていう日は、同世代のモデル仲間と励まし合いながらがんばりました。

ハードだったけれど、楽しかったですね。あの時いろいろ教えてもらったことがその後の役に立っています。

そのころ、「最後のパリコレだから出てみない?」とママモリが声をかけてくれました。本当はもっとちゃんと考えるべきですが「じゃあやってみる!」って(笑)。それで半年弱、ママモリと一緒にパリのアパートに住んで、コレクションの一部始終を見せてもらいました。ママモリを筆頭にしたチームワークのすごさ、プロフェッショナルの厳しさ。お針子さんの仕事やオーディションを間近で見られたことで、「ひとつのショーを作り上げるって、こんなに大変なことなんだ」と思いました。

パリ滞在中は、毎朝ママモリが朝食を作ってくれました。「良い素材を少しずつ」が、ママモリの口ぐせ。さくらんぼ3個、鮭の切り身、小エビのサラダ、みたいな感じで少しずつお皿に盛って毎朝出してくれました。

アメリカの高校の寮暮らしで体重が増えていたのですが、このパリでの半年でダイエットできましたし、食事の大事さ、コンディションを整えておくことの大切さを学びました。

チームワーク抜群『おしゃれイズム』

テレビのお仕事は『おしゃれイズム』が最初で、21歳のときです。

最初から「何でも自由にしゃべっていいよ」ということで、私は本当に自由に(笑)。何があっても上田(晋也)さんがしっかりフォローして、すべてを笑いに変えてくれました。

16年半、隔週の収録だったのですが、その間休んだのは私が出産で1回、上田さんがポリープの手術で1回。藤木(直人)さんは皆勤賞でした。番組は昨年終わりましたが、今でも2人とは交流があります。

上田さんは本当に律儀で、毎年「誕生日プレゼントは何がいい?」って必ず連絡をくれるのです。「いらないよ」って言っても何回も聞いてきて(笑)。今年は芝刈り機を送ってもらいました。その前はチェーンソー。上田さんのおかげでDIYの機材がいろいろそろいました(笑)。

藤木さんは今や3児の良きパパ。いつも私の娘のことを気にかけてくれます。2人とも何でも相談できる本当のお兄ちゃんみたいな存在です。

娘と動物たちと

出産自体はすごくスムーズでしたが、つわりがひどくて苦しみましたね。結局、出産まで良くなりませんでしたが、娘が生まれた瞬間にそれまでのつらさがウソのように全くなくなって、元気になりました。私は出産前がつらかったけれど、出産後が大変な人もいるわけだから、こういうことは人それぞれで不思議だなと思いました。

「結婚して子どもができて大変でしょう?」とよく言われます。でも、それほど大変という感じはなくて、「にぎやかな仲間が1人増えたな」っていうくらい(笑)。

私が小さいころから、わが家にはいろいろな動物がいました。そのペットに子どもが生まれると、母は「この子が幸せに育つようなおうちを作りましょう」と言って、私も子どもながら自然に近い環境になるように考えて、公園で葉っぱや小枝を一生懸命拾った思い出があります。

今は3歳の娘がワンちゃんのご飯のお皿を運んでくれたり、洗ってくれたりして、私が逆に助けられています。なかなか人になつかない動物と娘がすんなり打ち解けている姿を見ると、「やっぱり子どもってすごい!」と感心してうらやましくなります。

飼い主としての責務

今、トリマーの資格を取りたいと思っています。わが家のワンちゃんたちもお世話になっていますが、トリマーさんって常に動物の体に触れているので体調の良し悪しにすごく敏感でよく気がつくのです。「ここを触ると痛がりますね」「こんなできものありましたっけ?」とか。

動物も人間と同じで、健康で元気なときばかりではないですよね。介護が必要になったり病気になったり。わが家のワンちゃんたちも老犬が多いので、いろいろ準備しなければならないことも多いです。人間だって年を取っていくし、私が大変なときには動物たちに支えてもらったから、お互い様ですね。

コロナで断念していましたが、もう少し落ち着いてきたら学校に通って、高齢犬の飼い主としてできることをもっと専門的に勉強したいと思っています。

ペットは最期まで飼って看取るというのが、もちろん基本中の基本ですが、今の世の中、どんな人にとっても先のことは分からないですよね。災害があるかもしれないし、病気になるかもしれない。なので、動物団体でも家族や知り合いでもいいので「もしもの時に託せる人」を想定しておくといいと思います。私も、もし自分に何かあったときには、動物たちをどうするかは決めてあります。

明るく、フットワーク軽く

コロナの世の中になってからは、「来年でいいかな」と思っていたことも、「今、やった方がいい。来年何があるかわからない」という感じになりましたよね。せっかくの人生だから「やりたい」とか「面白そう」と感じたら、フットワーク軽く行動を起こしたいですよね。

疲れちゃったら「ハイ、ここまで」と区切って、できるだけひきずらないようにして。落ち込んだら落ち込んだで、また、それをひっくり返していきたいです。

現代は、女性が元気ですよね!若い人からママ友、知り合いのおばさまたちまで、元気で人生を楽しんでいる方が多いような気がします。そんな周りの女性たちから元気をもらっています。

皆さん、世代に関係なく、楽しいことを探すのが上手です。私も時代や環境が変わっても、楽しいことを見つけて明るく過ごしていきたいですね。

私は、ママモリからも母からもグチや悪口を一度も聞いたことがありません。「きれいなものを作りたいから、嫌なことは口にしたくないの」と、ママモリはよく言っていました。母も、外国である日本で仕事をしながら、5人の子育てをしたのだから苦労もあっただろうに、そんなそぶりを見たことがありません。それが彼女たちの明るさの秘訣(ひけつ)なのかな、って勝手に解釈して、私も見習いたいと思っています。

(東京都港区にある国際文化会館にて取材)

  • 3歳ごろ、実家のダイニングにて。左から長兄・本人・母・次兄・妹

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  • 32歳ごろ、ハナエモリのオートクチュールドレスを着て

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  • 別荘の庭のプルメリアと

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  • 得意のDIYで飼育室の内装もお手のもの。達人の腕前はYouTubeでも公開されている

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  • ワンちゃんたちに囲まれて。「みんな個性が違って面白いの!」

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  • ママモリ(祖母:森英恵さん)と娘と

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  • 森 泉さん

(無断転載禁ず)

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