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床裏の白華現象について(2)

前回述べた通り、白華現象はそのものには問題はありませんが、コンクリート内部に水が浸入していることを示しています。今回は、その場合の被害と対策について紹介します。

いったん、水がひび割れからコンクリート内部に入れば、ひび割れ部全面に水は浸透します。ひび割れの隙間に、構造体を補強する鉄筋があれば、鉄筋も水にさらされ、鉄さびが発生し、問題を引き起こします。何年も放置し、白華に鉄さびの色が着色するようになると、鉄筋の鉄さびが水に溶けだすほど大量に発生しています。大量の鉄さびは表層部のコンクリートを構造体から引き離して押し出してしまい、表層部のコンクリートの塊が落下する可能性があり、非常に危険です。

そのため、白華現象は美装よりも前に、原因の除去が必要です。

まず、ひび割れ部の水の浸入を防ぎます。ベランダの天井だと、上階のベランダ床面を、長尺シートとウレタン塗布で防水するのが一番良い方法です。しかし大がかりすぎるので、ひび割れ部のみをUカットシールや刷り込みなどで修復します。

大規模修繕工事の際に、白華現象が発生しているマンションでは、予防的な意味を含めて、ベランダ・廊下床面全面の防水工事を計画すべきです。

コンクリートは寒暖の差でもひび割れを起こす材料です。そのため、新築施工時には、ひび割れ発生位置を予想し、予防しておきます。これは目地と呼ばれるものですが、手すりや床面にも設置が必要な場合もあります。とはいえ建物の個性・環境により、独自に発生する想定外のひび割れまで抑止するものではありません。

予想以上の頻度でひび割れが発生している部位には、大規模修繕工事で、「目地の新設」という工事も予防措置として必要です。

大規模修繕工事は、既存の機能を回復させることが主眼ですが、同時にリフォームによる改善を加えて、マンションの個性に応じた対策を柔軟に処方することが重要です。白華現象自体は、重大な欠陥ではありませんが、将来の不具合を防止するための重要なバロメーターです。対処法について管理会社の見解を求めておくこともよいでしょう。

2015年12月掲載

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