床のリフォームには「重ね張り」と「張り替え」があります。重ね張りとは、現在のフローリングの上から、重ね張り用のフローリングを張り付ける工法です。厚みは1.5ミリ〜12ミリ程度。薄いものは表面が印刷、厚いものは合板系、無垢板材などです。性能や使い勝手などを比較することをお勧めします。
各部屋が切れ目なくフラットな状態でできている家で一部のみ張り替えた場合は、重ねる床材の厚みがつまずきの原因となるので、対処が必要です。また施工できないケースとしては、既存フローリングの裏面に遮音材や防音材が張り付けられている場合です。新しい床材とで床の沈み方が違うので、剥がれたり、床鳴りすることもあります。床鳴りする場合などは下地の補修が必要となります。メリットは、現状の床材を剥がす必要がないため、施工代金が安く、工事が短期間でできることです。
床の張り替えには、床下のコンクリートの上に空間がなく、ピッタリと張り付ける「直張り」と、床材と床下コンクリートの間に空間があり下地材などを使ってかさ上げした「二重床」があります。使用細則等で床衝撃音の遮音等級が定められている場合は、床材は規定に合う材質を使用しなければなりません。使用細則等には「床材の軽量床衝撃音はLL‐45以上」などの記載があります。
床衝撃音の遮音等級、LL(ΔLL)とLH(ΔLH)について説明します。軽量床衝撃音(LL)はスプーンなどを落としたときに発生する軽くて硬い感じの音です。重量床衝撃音(LH)は子どもが走り回ったり、椅子から飛び降りる音などの重くてにぶい感じの音です。LL、LHとΔLL、ΔLHの違いは「LL」が床材や下地のコンクリートを伝わって下の階でどの程度の音に聞こえるのか推定したものです。「ΔLL」は床材の材質のみが衝撃音をどれぐらい低減できるかを示します。「LL」表示では、構造体であるコンクリートスラブ厚15センチを想定していますが、最近はマンションごとにスラブの厚さが異なることから、「ΔLL」が標準になっているようです。また数字が小さいほど、遮音性能がよいことを示しています。インターネットで、床衝撃音を聞き比べることができるサイトがあるので、利用してみてください。
http://www.jafma.gr.jp/sound.html
2016年8月掲載
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