近年の新築マンションはバリアフリーの概念が浸透しており、床の段差はほとんどなくなってきています。脱衣場と浴室の床の段差やバルコニーと室内の段差をなくしたマンションも現れてきましたが、それまでのマンションでは少なからず段差があります。
和室は廊下の床より15~50ミリメートルくらい上がっている方が日本人の感性には合っていたようです。バルコニーや浴室は水仕舞(水漏れや付近が水で腐ってしまわないようにすること)の関係で段差がつくのが普通でした。
バルコニーの部分を除けば、大がかりに工事をすれば大部分の段差は解消できますが、大きな出費を伴うことになり、現実的ではありません。
年齢を重ねると、わずかな段差でもつまずいてしまうことがあります。通常の生活では、明らかに目に見えて認識できる段差よりも、目につきにくい段差のほうがつまずきやすいようです。例えば敷居や床見切り、ラグの段差でもつまずいてしまうことがあります。
大きな段差の場合は、無意識につまずいてしまうことは考えられないので、手すりなどを設けることで通過しやすくなります。浴室や玄関の床に段差がある場合は、スノコやマットで段差を減少することができます。扉の下枠や床材の見切りに段差がある場合は段差をなくすように加工しても機能上問題はありません。また敷居はフラットレールと専用の戸車に取り替えることですっきりした仕上げになります。床にわずかな段差がある場合には図の様に埋木をすることで、つまずきにくく車椅子も通りやすくなります。またラグの場合はコルクタイルに替えて部屋全体に敷き詰めると段差がなくなり、車椅子でも動きやすくなります。
あまり多くの費用を掛けずに、工夫次第で暮らしやすく改修することもできます。まずは専門家に相談してみてください。
2012年2月掲載
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