最近、開き戸を「吊り戸」に変更するリフォームが増えています。「吊り戸」は、部屋の開口部の上部にレールを取り付け、戸を吊るし、開閉する引き戸です。部屋を区切る間仕切りとしてよく使用されています。
吊り戸のメリットは、床にレールの溝がなくフラットである、戸を引く音が響きにくい、比較的軽い力で開閉できるなどです。車椅子や掃除ロボットの通行がしやすく、ほこりがたまる溝がないため掃除がしやすいです。段差もなく転倒の心配もありません。
デメリットは、価格が高い、気密性が低いなどがあります。レール自体に戸を支える強度が必要なため、一般的な引き戸より高額になります。吊り戸と床に隙間があり、冷暖房効果は弱くなり、音や明かりが漏れやすいです。
メリット、デメリットを理解した上で、設置を検討しましょう。
引き戸は戸の納まり方で大きく2種類あります。「アウトセットタイプ」と「インセットタイプ」です(下図参照)。
アウトセットタイプの吊り戸は開口部の上の壁にレールを取り付けるため、壁や柱を撤去するなど大がかりな工事が不要です。レールを納めるボックスを壁に取り付けるため、見た目に配慮する必要があり、室内が戸の厚さ分ほど狭くなりますが、比較的簡単に吊り戸に変更できます。
インセットタイプの吊り戸は、壁の内部に戸が納まるため、すっきりとした印象です。ただし壁の内部にレールを取り付ける、戸を格納するスペースを壁に確保するなどの必要があり、大がかりな工事が必要です。また耐力壁は、インセットタイプの吊り戸にすることはできません。リフォームではなく、新築時に設置するほうが向いているといえます。
吊り戸には、戸が閉まる直前にブレーキがかかり、跳ね返りや衝撃音を防止する機能や、手を放すと自動でゆっくりと閉じる自閉機能などが付いているものがあります。また枠と戸の隙間を大きく取り、指挟みを防止したものや、隙間にモヘアを付けて明かりが漏れるのを防止したものもあります。
吊り戸へリフォームをする場合は、管理組合への申請が必要です。事前に管理会社へ問い合わせをするようにしましょう。
2023年3月掲載
Wendyは分譲マンションを対象としたフリーペーパー(無料紙)です。
定期発送をお申込みいただくと、1年間、ご自宅のポストに毎月無料でお届けします。
月刊ウェンディに関すること、マンション管理に関するお問い合わせはこちらから