建物の構造や自治体の取り扱い上の理由によって、管理組合がマンション全体の水道料金を一括して水道局へ支払うマンションでは、管理規約の定めもしくは総会の決議によって各戸の水道料金を管理組合で検針・請求することとしています。あなたの場合、賃借人にマンションを賃貸しているとのことですが、マンションを賃貸するのは区分所有者と賃借人との契約の問題です。賃貸借契約によっては水道料金を賃料に含む例や、毎月定額で清算するといった例もあります。すなわち、どのような賃借人を選び、水道料金についてもどのような取り決めをするかは、個々の区分所有者が決定することで、管理組合はこの契約に直接の関わりはありません。また賃借人を相手として請求した場合、転出などで賃借人から水道料金をとりはぐれるおそれもあります。請求の相手方が区分所有者であれば水道料金の未納があっても管理費の滞納に準じた取り扱いができますので、他の債権に優先して先取特権が保証され、集金事務を円滑に行うことができるのです。区分所有法第7条(先取特権)には「区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する」との定めがあります。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1991年3月掲載(2025年2月更新)