多くの分譲マンションでは、敷地内に駐車場が敷設されています。しかし、駐車台数が全住戸に割り当てられるだけ確保されているマンションは少なく、一般的には、管理組合と区分所有者とが一定期間の駐車場使用契約(以下「使用契約」という)を締結し、その後更新され、一度使用契約を締結した区分所有者が長年駐車場を使用し続けるという事例が多く認められるようです。
そこで、使用契約を締結できなかった区分所有者は、敷地外の駐車場を長年使用することになり、不公平感から使用契約の内容を改めて、抽選制にしてほしいという要請が理事に寄せられることがあり、本問のケースもこのような事例といえます。
判例は、一般的な使用契約では、使用期間が1年間の更新制の契約内容を、使用期間が2年間とする抽選制の契約内容に変更する組合決議を有効と判断していますので、期間の満了によって使用契約を終了させて、抽選をして使用契約者を決めることは可能であるといえるでしょう。
抽選制を導入する場合に注意すべきことは、集会において、抽選制の導入を決議することが必要になりますので、区分所有者が相互に理解しあうことが重要です。
ことに、区分所有者数と駐車場数とが拮抗している場合などは、激しい意見の対立を招くことがあり、その後のマンション管理にも支障の出ることがないように、区分所有者全員が相互に理解しあうことが重要です。例えば、抽選制の決議の成否に関わらず、マンション駐車場と敷地外駐車場の使用料とに差異がある場合には、敷地外駐車場使用者に一定の使用料の補助を行う制度の導入を行っているマンションもあります。
なお、特定の住戸に対し駐車場の専用使用権が設定されている事例があります。この場合は、一般的な駐車場使用契約と契約内容が異なるため、この使用契約に抽選制を導入することはできないことがありますので、注意してください。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2010年8月掲載(2025年2月更新)