総会を開かなくても書面で議案の決議ができると聞いたのですが、具体的にはどういうことですか。また、その効力は総会の決議と同じですか。
総会は管理組合の最高の意思決定機関として位置づけられています。しかし、議題によっては議論の余地がなく同意が得られる場合があると思われます。区分所有法第45条第2項では、「総会において決議すべきものとされた事項につき、『区分所有者全員』の書面による合意があったときは、総会の決議があったものとみなす」という規定が置かれ、これを書面決議と呼んでいますが、書面による決議は総会における決議と同様の効果を生ずることとなります。
一方でこれとは別に、集会を開いたうえで、議決権を書面で行使する議決権行使書の制度がありますが、これは書面決議とは異なるものです。
書面により決議することができる事項は、区分所有法または管理規約によって、総会において決議すべきものとされた事項のすべてにおよびます。しかし、「区分所有者全員」の書面による合意が必要ですので、総会を開けば通常の決議で決定することができる事項も、書面決議をするには、「区分所有者全員」の合意が必要となるわけです。総会を開く必要がないといっても、区分所有者全員から合意の書面を集めること自体が非常に困難と思われますので、あまり効率的な方法とはいえないでしょう。
また、書面決議ができたとしても、これによって集会の招集があったものとはみなされませんので、毎年1回開催が義務付けられている集会は別途で招集しなければなりませんので注意が必要です。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
1995年5月掲載(2025年2月更新)
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