ボルトや鉄骨に錆が発生した高架水槽
最近のマンションでは、水道本管の圧力にポンプの圧力を加えて直接各家庭に送る増圧ポンプ方式の給水方式が増えてきました。しかし、この方式にも短所があり、停電や水道本管の水が止まると、即時断水になります。災害対策に関心の高い現在、受水槽を設けて、一時的ではあっても災害時の給水源にしようとする考えも根強くあります。
マンションの多くに、受水槽や高架水槽が存在します。その多くがFRP「繊維で補強されたプラスチック」製です。ガラス繊維にポリエステル樹脂を浸透させながら塗り重ねて成型されています。
劣化は、紫外線により、表面に塗布されているポリエステル樹脂のトップコートが分解して失われることから始まります。そのまま放置すると露出したポリエステル樹脂の本体も徐々に失われて、内部のガラス繊維が露出してきます。さらに劣化が進むと、ポリエステル樹脂の強度がなくなり、壊れてしまいます。
つまり表面のトップコートがなくなる前に、保護のための塗料を補充してやれば内部の劣化を防ぐことができます。普段から目にすることのない上部は特に紫外線が直接当たるので、側面に比べて劣化が早く進んでいます。しかもFRPのパネルは太陽の光も透過するため、内部に藻が発生することもあります。光の透過を防ぎ、FRPの劣化を防ぐことを目的に遮光塗料で塗装するのが現在の主流になっています。
そのほかの接合ボルトや補強のアングル、鉄骨の架台の塗装なども、こまめにメンテナンスしてやれば、大きな費用を掛けて取り替えをするより、安価に維持できます。定期点検の結果に注意し、早めにメンテナンスをするようにしましょう。
2014年6月掲載
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