マンションの設備リフォームを行うときは、管理規約等に定められている内容をしっかりと確認し、問題が生じないか事前にチェックをしておくことが重要です。室内の設備であっても、専用に供されるか否かは、その設備の機能に着目して管理組合が決定しているからです。専有部分の設備機器や器具のリフォーム工事は、共用部分の配管や配線のサイズと能力に見合う計画にすることが原則です。
給排水やガス、電気の設備・器具等はいずれも単体で機能するものではなく、共用部分にある本管や幹線等に接続されてはじめて機能するものです。その能力や容量等は、共用部分の本管や幹線のサイズにより上限が設定されているので注意が必要です。電気契約量の上限を上げたり、ガス本管サイズを太くしたりするのには、共用部分の設備を改修しなければできない場合もあり、1戸のリフォームだけで解決できる問題ではないこともあります。
設備リフォーム工事のよくある事例ですが、空調機やIHクッキングヒーター、食洗機等を新設する場合は、専用回路の電源や排水経路が必要になることがありますので、事前に必ずチェックを行い、無理のない計画とする必要があります。
また、エアコンの設置や換気設備の新設に伴い、構造壁にスリーブ(貫通孔)を設ける計画の場合、構造躯体は共用部分であるため、必ず管理組合の承認が必要となります。
住宅では消防法等により住宅用火災警報器を設置する義務があります。内装リフォームにより部屋の間取りを変更するような場合、これら警報器の設置条件や位置を変える必要が生じます。マンションでは、警報器が管理員室等に設置されている統合盤という親機で一括監視されていることがありますので、工事を行う際には事前に管理会社へ連絡が必要です。また、警報器の位置変更等は消防法等の法令を確認し、違法とならないよう事前にチェックする必要があります。このように設備リフォームは専有部分だけでなく共用部分と連動することも多く、ちょっとした認識不足が思わぬ大きなトラブルを招きやすいため、計画する際には、必ず事前に管理会社に相談し、確認をしておく必要があります。
2016年11月掲載
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