マンションの廊下やバルコニーなどには手すりが設けられています。全体がコンクリートの手すりもありますが、開放感を出すためにガラスやアルミを使った手すりもよく使われます。アルミ手すりは適切に手入れをすれば、いつまでもきれいに使うことができます。
しかし、 築30年もたつと、アルミ手すりの足元のコンクリートにクラックが生じ、膨れてコンクリートがはげ落ちそうになったものを見かけることがあります。
コンクリートに物を取り付ける場合には、アンカーと呼ばれる、物を固定する金物をあらかじめ取り付けておいて、コンクリートを打ち、中に埋め込むように設置します。アルミ手すりの場合も、手すりの支柱が取り付けやすいように、コンクリート部分に鉄の角パイプが埋め込まれています。この角パイプにアルミ手すりの支柱を差し込んで固定してあります。
アルミ手すりの足元が膨れている場合、そこをはがしてみると、その取り付け用の角パイプがさびて膨れてしまっているのです。アルミ手すりには部品と部品の間に隙間があります。雨がかかる部分は、雨水が内部に侵入し、逃げ場がなく、角パイプの中に雨水がたまっていることがあります。そのため、鉄がさびて膨れているのです。
特に不具合がない限り、調査することはあまりないのですが、少しでもその傾向が表れたときは中に水がたまっている可能性があります。水がたまっているようなら、埋め込んであるコンクリートの高さより少し高くなるくらいまでモルタルを注入して、さらにモルタルの上面から排水できるように排水孔を設けて、たまり水ができないようにします。また定期的に点検も行う必要があります。
この方法は、膨れてはがれ落ちた部分の補修時に、角パイプの外側だけ補修するのではなく、内部も前述の方法で改良すると長持ちします。
足元にクラックが生じだしている
2014年5月掲載
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