マンションのリフォームで大きな比重を占めるのが、外壁の補修です。屋根の防水と共に建物の寿命にも大きく影響を与えます。
外壁補修の究極の目的は、建物の強度を保つ、すなわち寿命を延ばすというところにあります。外壁の塗膜が劣化して建物の強度が低下するのかと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、外壁の塗膜はコンクリート本来のアルカリ性を保つために大きな役割を果たしているのです。
コンクリートのアルカリ性が失われると、中の鉄筋が錆びやすくなります。中の鉄筋が錆びると徐々に膨らんでコンクリートを押し出して破壊してしまいます。これが爆裂と呼ばれている現象で、外壁のクラックから内部に雨水が浸入した場合も同じ現象が起こります。
外壁や軒裏、階段などに、コンクリートの成分である石灰質が白くこびりついているもの(エフロレッセンスという)を目にすることがありますが、これは浸入した雨水がコンクリート中の石灰成分を溶かし出したもので、いずれは先に述べた爆裂を起こす場合があります。
コンクリートのアルカリ性を低下させる主な原因は空気中の炭酸ガスです。一度失われたアルカリ性を取り戻すためには、多大な時間と費用を要します。そういった重篤な状態にならないためにも、定期的なメンテナンスの計画と、費用の準備が必要といえます。
2012年8月掲載
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