本郷ハウス(東京都文京区)
- 建築概要
- 昭和45年11月竣工
鉄骨鉄筋コンクリート造
地上15階、地下1階建
[総戸数]134戸
東京都文京区
[事業主]住友不動産- 昭和45年11月竣工
管理会社変更の際のお話をお聞かせください。
前管理会社に委託していた時に、フロントや管理員について理不尽で納得のいかないことがあり、管理会社に対して不信感を抱くようになりました。管理委託契約更新の臨時総会の際に、組合員の1人から、「他の管理会社に問い合わせたら、電話1本で委託費を見積もってくれる」との発言があり、管理会社変更を検討するようになりました。
その時、私は仕事をリタイアし、比較的余裕があったため、管理委託契約等検討委員会に入ることにしました。マンション管理セミナーを受講して知識を身に付け、検討委員会が決めた新しい管理会社候補の数社を回り、管理会社の決意、マンション生活の支援サービスなどの聞き取りを行いました。調査結果をプレゼンテーションし、管理会社変更について提起しました。その後手続きを進め、臨時総会で管理会社変更が決議されました。
合人社計画研究所に変更してからは、マンションの明るさが増し、雰囲気が変わったように思えます。当マンションは築40年ですから、ちょっとした不具合はあちこちにあります。自分たちで直そうと管理員さんに材料を購入してもらって準備し、時間が空いている時に修理してもらっています。バイク置場のペンキの線引き、駐車場の側溝のふたの修正など、快く手がけてくれ、頼もしい限りです。
理事長になられた際のお話をお聞かせください。
当初、委員会のメンバーとして管理会社変更の資料作成に徹し、また管理規約改定や管理委託契約の検討を重ねていました。今年、新しい理事会がスタートする上で、理事長のなり手がいないとのことで、私に話が回ってきました。それなら今まで勉強してきたことや経験を実践する場になるのではないかと思い、引き受けました。
私は機械設備と鉄道車両の企画、開発を行っていましたので、マンションのエレベーターや給排水などの設備の技術は知っていました。また、ISOの審査員をしていたこともあり、管理方法が頭に入っていました。以上から、マンションの改革、改善に微力ながらお役に立てるかなと思い、理事長の仕事に挑戦することにしました。
マンション購入についてのお話をお聞かせください。
20年前に、同地区にあったJRの宿舎から、当マンションに移ってきました。バブルがはじけたころで、当時このマンションは、億ションといわれていました。以前住んでいたJR宿舎の土地は売却され、現在、住戸数200余りのマンションが建ちました。敷地面積は当マンションと同じですが、1.5倍の住戸数です。このことは建替えの際の目安といえそうです。
マンションの共用部分、附属施設などで気に入っているところはありますか。
当マンションの良い所は、天井が高いので換気が行き届き、湿気がないことです。また、トランクルームが利用できることも気に入っています。
管理組合で取り組んでいることはありますか。
私は、管理組合は自立し、主体的に行動することが必要だと考えています。管理とはPlan・Do・Check・Actを回すことです。管理組合の役割はPlanとCheckであり、管理会社はDoと Actを果たすことだと思っています。この点から管理組合と管理会社が両輪となり、スムーズに動けるよう心掛けています。
理事会を構成する理事は総務、広報、会計、修繕、防災、検討の担当を受け持ち、副理事長の支援のもとに活動しています。さらに、監事は課題の計画と実施や決算予算の処理が適正かどうかを監視しています。
管理組合の課題は、建物が築40年ですので修繕が増えていることです。また、建替えと修繕との比較が必要になってきています。建替えの基本は、今よりも住戸の数を増やし、住民の金銭的な負担を少なくすることです。今後どうするのかを組合員の方とともに、考えていきたいと思います。次に収入不足の問題です。駐車場は71台の収容能力に対し、16台の空きがあります。空き駐車場について賃貸をしなければと慎重に事を進めています。また、昨年の冬の寒さは厳しく、夏は異常な暑さが続き、冷暖房会計が赤字ですので、節約を心掛けようと思っています。
7月に国土交通省から、標準管理規約の改正が発表されました。当マンションでも、社会状況や管理組合の状況をふまえた上で、管理規約改定について次回総会での議題にしたいと考えています。
マンション周辺の環境紹介をお願いします。
文京区本郷は、江戸、東京の中心であり、文人が居を構えて執筆をした所です。また名高い公園、珍しい樹木など自然に恵まれています。さらに歴史的な史跡など、文化財、古い建造物が大切に保存されています。文京区は文字通り大学が多く、学問に刺激されて文化の高い街です。また、東京ドームでは野球観戦、コンサートなどのイベントが開催されています。交通の利便性にも優れJR中央・総武線、地下鉄は丸の内線などが通過し都市交通のネットを形作っています。生活の潤いと教養に満ち溢れた地域といえそうです。
プロフィール
2011年11月掲載
- 澤瀬 和久さん 71才
(さわせ かずひさ) 国鉄とJRに30年勤務し、研究開発時代の成果として工学博士を取得。マンション近くにある図書館から、よく本を借りている。最近では、「建替え」、「TPP」、「チリ鉱山生還者」、「自然災害」などをテーマにした本を読破した。また、足腰の鍛錬のため往復10キロメートルの皇居一周ランニングは毎朝欠かさず、累計は1万5000キロメートルになっている。
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