民法の制定以来約120年ぶりに債権に関する部分が抜本的に改正となり、管理費等の滞納に関しては「時効」について変更がありました。
従来、時効に関しては、債権の種類によって時効期間が異なっていましたが、債権の区別は合理性に乏しく煩雑で分かりにくいため、今回の改正によって、時効期間が統一されました。これまで、マンションの管理費は一般的な債権と異なる「定期給付債権」として区別され、債権者である管理組合が「権利を行使できる時から5年」までに権利を行使しない場合は短期消滅時効が適用され時効が成立していました。今回の改正により、マンションの管理費も一般的な債権と同様の扱いとなり、改正後の民法における消滅時効である、「権利を行使することができることを知った時から5年」または、「権利を行使することができる時から10年」の期間、権利を行使しないことにより時効が成立することとなりました(民法第166条)。
このようにマンションの管理費に関する時効について民法の改正がなされましたが、一般的にマンションの管理費について、管理組合が「権利を行使することができることを知った時」とは、通常、債権が発生した時点と解されるため、改正前の「権利を行使できる時」と大きな変更はないことになります。
編集/合人社計画研究所法務室 監修/桂・本田法律事務所 本田兆司弁護士
2020年6月掲載